出版社内容情報
私たちは人生の中で出会う様々な課題を、見つけ、調べて、解決することが求められる時代に生きている。新学習指導要領の重要キーワード「探究」のためのテキスト。
内容説明
私たちは自分の人生の中で出会うさまざまな課題を、見つけ、調べて、解決することが求められる時代に生きている。日常の関心を一歩前に進め、「対話」を通じて学びを広げよう。生徒と教師に向けた「探究型の学習」のためのテキスト。
目次
第1章 「探究」とは何か
第2章 探究的な学びとは何か
第3章 探究型の授業と哲学対話
第4章 文献収集と読み解き方
第5章 プレゼンテーションの仕方
第6章 レポートの書き方
著者等紹介
河野哲也[コウノテツヤ]
1963年生まれ。立教大学文学部教育学科教授。慶應義塾大学大学院文学研究科後期博士課程修了。博士(哲学)。専門は哲学、倫理学、教育哲学。NPO法人「こども哲学・おとな哲学アーダコーダ」副代表理事。総合的な学習/探究の時間や道徳科教育の指導も行っている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ろくせい@やまもとかねよし
145
2022年度学習要領で「総合的な学習」が「総合的な探究」に変更。この探求の意味や目的を解説し、その方法を具体的に紹介。テーマを発見し問いを設定、仮説の定立、実証、検討を繰り返し、成果を発表すると提案。方法論の一つとしては参考になる。しかし探究に対する論理的な理論武装が不十分で、探究を曖昧に。本書も記載するよう、探究は分からないことに挑戦することとあるが、その具体性をうまく見つけられない。また科学が理系と解されるは疑問。科学の定義は難しいが、一般的に哲学が科学の起点であり理系文系はその派生に過ぎないのでは。2021/05/10
venturingbeyond
30
4月から転勤先の普通科で探究を担当するようになり、河野先生の著作は何冊か読んでいたこともあって、タイトル買いの一冊。高校生向けの探究ガイドブックとして、懇切丁寧に順を追って解説してあり、進め方のhow toのみならず、探究の意義や目的まで概観してある。探究の可能性や高大接続の観点での重要性の主張にまったく異議はないが、文献や各種論説・記事の批判的読解の必要不可欠性という点になると、なかなか越えるべき課題は山積という感想に。クリティカルシンキングをどのように定着させていくのか、この点が最難題です。2021/05/11
かんた
16
高校では2022年度から「総合的な探究の時間」が本格的に始まる。すでに取り組みを始めている学校も多いが、現場では「探究的な学び」に対する戸惑いの声も多く聞かれる。本書は探究型の学習について体系的にまとめており、学びを進める上で道標となる一冊である。結局のところ「学びは与えられるのではなく、自ら獲得するもの」という意識が持てるかが重要で、それはこれまでの学習経験に依拠するところが大きいように思う。学び方という視点で中高接続や教科横断を考えていく必要がありそうだ。2021/10/16
かんがく
13
探究の授業が始まるので読んだ。流石にプリマー過ぎた。大学生とかが読むなら良いかも。2022/01/19
aiken
9
2021年の本。図書館本。自分の若かりし頃の、大学や企業の新人研修、新人発表会くらいに身につけるべきことをキチンと教えてくれる本。今はこれを高校生から学ぶのですね。とてもいいことだと思う。しかしながら、現実の高校生たちには、きっとピンとこないだろう。なぜなら、いまでも学校の偏差値と人間関係の承認欲求が支配的だろうと想像できるからだ。そのシステムに不満な学生は学校の外に居場所を見つけられるのが今の世の中だ。学校のクラスの中でグループを作り探求する練習は賛成だが、その枠から出る手引きをもっと書いて欲しかった。2022/10/15