出版社内容情報
仏教土着化をカヤカベ教や湯殿山信仰に探り、日本仏教の「正統」に同化されつつ日本人が失わなかった民俗の心と習俗を深く考察する。解説 阿満利麿
【目次】
内容説明
我が国古来の民俗信仰の上にやってきた外来の仏教は、どのようにして土着化したのか。この問いに、宗教学ではなく民俗学と歴史学の手法によってアプローチした本書は、今も日本人の信仰を考えるうえで多くの示唆を与えてくれる。日本仏教の異端である薩摩のカヤカベ教が伝える親鸞のミイラ言説や、湯殿山の即身仏ミイラ信仰などに注目。そこから逆に照射される日本仏教の「正統」と、その正統に同化されなかった日本仏教の「影」の信仰とを対比させることで、仏教土着の一方で日本人が持ち続けた民俗信仰の問題を掘り下げて考察する。
目次
信仰の風土(排仏の底流;影の信仰)
正統者の原像(薩藩の一向宗禁制;カヤカベ教;御状の内容)
呪術と宗教(原始思惟の再生;信仰重層の構造;定着民の信仰)
楽園恢復の願い
著者等紹介
高取正男[タカトリマサオ]
1926‐81年。京都大学文学部史学科卒業。京都女子大学教授などをつとめた。専門は民俗学、日本文化史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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HANA
58
題名から読む前は日本史の中で外来宗教である仏教がどのように民衆の中で根付いたのか。的な内容を想像していたのだが、実際にはカヤカベ教を例に権力から禁止されていた宗派がどのような変容を辿るかを主に論じたものであった。予想とは違ったけど、カヤカベ教について知ることは少なかったので教えられる事は多し。特にカヤカベ教の伝承に本願寺には親鸞のミイラが安置されている。という所から東北の即身仏に飛び、そこから日本人のコスモロジーを掘り下げていく箇所などは目が離せぬ面白さである。伝承の変容を考えるうえで面白い一冊でした。2025/12/09
So Honda
0
タイトルから想像していた内容とはややずれていて、民間信仰について多くが語られていくが、最終章において回収された。一向宗の弾圧下に生まれたカヤカベ教と隠れキリシタン信仰が同じような帰結を辿ったことは、創唱宗教が土着し自然宗教と融合していく過程を考える上で興味深い。2025/12/22




