出版社内容情報
自由はちゃんと存在する。でもそれは、生物としての進化の過程で生まれてきたものだ──。人間の本質は〈魂〉にあるとする伝統的な発想が、説得力の弱いものになった現代。世界は決定論的に定まっているものではないのか、生物の行為は遺伝子やミームに操られているだけなのではないか等々、新たな反対意見を丁寧に検証しつつ、徹底した自然主義の立場から、自由意志の存在を導き出す。心の哲学の隆盛のなかにあってマイルストーンともなった一冊を、明快な訳者解説とともに文庫化。
【目次】
第1章 自然の自由
1 自分たちの正体を学ぶ
2 わたしはわたし
3 空気のようにあたりまえ
4 ダンボの魔法の羽根とポーリーナの災厄
第2章 決定論について考えるためのツール
1 単純化しすぎると役に立つ
2 コンウェイのライフゲーム世界における物理から設計へ
3 デウス・エクス・マキーナにたどりつけるだろうか?
4 ゆっくりした回避からスターウォーズまで
5 可避性の誕生
第3章 決定論について考える
1 可能世界
2 因果律
3 オースティンのパット
4 コンピュータ・チェス・マラソン
5 決定論的宇宙における原因のない事象
6 未来は過去に似るだろうか?
第4章 リバータリアニズムの言い分をきく
1 リバータリアニズムの魅力
2 とても必要なギャップはどこにおく?
3 ケインの非決定論的意志決定モデル
4 「自分を思いっきり小さくすれば、事実上すべてを外部化できる」
5 最初の哺乳動物にご用心
6 「自分次第」なんてあり得るの?
第5章 これほどの設計はどこからきたの?
1 始まり
2 囚人のジレンマ
3 多数で構成された統一体?
4 余談―遺伝的決定論の脅威
5 自由の程度と真実の追究
第6章 オープンな心の進化
1 文化的な共生が霊長類を人間にする
2 ダーウィン主義的説明の多様性
3 いいツールだけど、使わなきゃ始まらないよ
第7章 道徳的行為の進化
1 ベン利己主義
2 善良に見えたいから善良にふるまう
3 自分自身とどう対処するか
4 我らが高価な善行メダル
第8章 あなたはカヤの外ですか?
1 まちがった教訓を引き出す
2 その気になったらいつでも
3 書心術者の見方
4 自分だけの自己
第9章 自分で自分を自由へと引き上げる
1 合理性をつかまえて自分自身のものにする
2 心理エンジニアリングと合理性の軍拡競争
3 友達の助けをちょっと借りて
4 自律性、洗脳、教育
第10章 人の自由の未来
1 にじり寄る無罪宣告に対する一線
内容説明
自由はちゃんと存在する。でもそれは、生物としての進化の過程で生まれてきたものだ―。人間の本質は〈魂〉にあるとする伝統的な発想が、説得力の弱いものになった現代。世界は決定論的に定まっているものではないのか、生物の行為は遺伝子やミームに操られているだけなのではないか等々、新たな反対意見を丁寧に検証しつつ、徹底した自然主義の立場から、自由意志の存在を導き出す。心の哲学の隆盛のなかにあってマイルストーンともなった一冊を、明快な訳者解説とともに文庫化。
目次
第1章 自然の自由
第2章 決定論について考えるためのツール
第3章 決定論について考える
第4章 リバータリアニズムの言い分をきく
第5章 これほどの設計はどこからきたの?
第6章 オープンな心の進化
第7章 道徳的行為の進化
第8章 あなたはカヤの外ですか?
第9章 自分で自分を自由へと引き上げる
第10章 人の自由の未来
著者等紹介
デネット,ダニエル・C.[デネット,ダニエルC.] [Dennett,Daniel C.]
1942‐2024年。アメリカの哲学者。ハーヴァード大学を卒業後、オックスフォード大学にて博士号を取得。タフツ大学教授、同大学認知研究センター共同ディレクターを務めた。心の哲学の第一人者であり、認知科学者としても知られた
山形浩生[ヤマガタヒロオ]
1964年東京生まれ。東京大学大学院工学系研究科都市工学科およびマサチューセッツ工科大学大学院修士課程修了。経済、文化、コンピュータなど、広範な分野で評論、執筆、翻訳活動を行う。著訳書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
Go Extreme




