出版社内容情報
あらゆる物質はなぜこのようにあり、それらはどう移ろっていくのか。そうした私たちが住まうこの世界のありようを規定する基本原理の一つが、熱力学第二法則である。熱力学というと一般に数学的な説明を避けて通れないこともあり、どうしても難解な印象を与えがちだ。それに対して本書は、その基本となる考え方を、できるだけ数式を用いずに、かつ学問的な厳密性をいささかも損なうことなく、懇切丁寧に説明していく。『アトキンス一般化学』などの定評ある教科書でも知られるイギリスの物理化学者が、蒸気機関から生命現象まで多様なトピックを扱いつつ、熱力学の奥深さを説き明かした不朽の名著。
【目次】
まえがき
1 自然は対称的ではない
エネルギーとはなんだろうか/熱力学の法則/非対称性の革命/非対称性を明らかにしよう
2 変化の道しるべ
熱と仕事の性質/変化の種/退化に向かって/エントロピー/エントロピーの測定/価値の散逸/効率には上限がある/部外者でいるのはこれでおしまいにしよう
3 カオスに落ちこむ
内部のエネルギー/宇宙のモデルをつくろう/温度/自然な変化の方向/自然な過程
4 無秩序さの定量化
ボルツマンの悪魔/悪魔の回し車/カオス、一様性、そして退化
5 カオスの力
ミクロに見たカルノーサイクル/スターリングエンジン/内燃/タービンの力/「一様」に向かって
6 カオスを変化させる
化学的変化/鉄の燃焼/熱を与えて冷やす/分散の速度/カオスと秩序
7 パワーズ・オブ・温度
ふだんの生活/「冷たさ」を得る/温度を一けた下げる/温度をもう一けた下げる/さらに温度を下げる/温度を一けた上げる/無限の熱さよりも熱い/生命に向かって
8 物をつくりだすカオス
複雑な構造の出現/タンパク質/自由エネルギー/生命という不自然な反応/生命の電気化学
9 カオスがつくりだす模様
構造/散逸構造/複雑さの表れ/蒸気エンジンを崇める
旧版訳者あとがき/文庫版訳者あとがき/付録1 単位/付録2 定式化/付録3 ゲーム/図版・写真出典一覧/索引
内容説明
あらゆる物質はなぜこのようにあり、それらはどう移ろっていくのか。そうした私たちが住まうこの世界のありようを規定する基本原理の一つが、熱力学第二法則である。熱力学というと一般に数学的な説明を避けて通れないこともあり、どうしても難解な印象を与えがちだ。それに対して本書は、その基本となる考え方を、できるだけ数式を用いずに、かつ学問的な厳密性をいささかも損なうことなく、懇切丁寧に説明していく。『アトキンス一般化学』などの定評ある教科書でも知られるイギリスの物理化学者が、蒸気機関から生命現象まで多様なトピックを扱いつつ、熱力学の奥深さを説き明かした不朽の名著。
目次
1 自然は対称的ではない
2 変化の道しるべ
3 カオスに落ちこむ
4 無秩序さの定量化
5 カオスの力
6 カオスを変化させる
7 パワーズ・オブ・温度
8 物をつくりだすカオス
9 カオスがつくりだす模様
著者等紹介
アトキンス,ピーター W.[アトキンス,ピーターW.] [Atkins,Peter William]
1940年生まれ。イギリスの物理化学者。レスター大学で化学の博士号を取得し、長年オックスフォード大学リンカーン・カレッジで教鞭をとる。『アトキンス物理化学』などの定評ある教科書の執筆者として知られ、『ガリレオの指』『万物を駆動する四つの法則』といった一般向けの科学書も多数執筆している
米沢富美子[ヨネザワフミコ]
1938‐2019年。理論物理学者。物性理論を専門とし、アモルファス研究で国際的に知られる
森弘之[モリヒロユキ]
1961年生まれ。東京都立大学理学部物理学科教授。専門は物性理論、特に低次元系や冷却原子系の解析(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。



