出版社内容情報
ソクラテスは言う――「いちばん大切なのは、単に生きることではなく、よく生きることだ」。では「よく生きる」とはどのようなことか。「単に生きること」だけでも容易ではない状況を、人はいかに生きるべきなのか。本書はそうした根源的な問いについて、『ソクラテスの弁明』『オイディプス王』『国家』をはじめとする古代ギリシアの哲学、文学の名作を手引きに、深く掘り下げて考える。2400年のはるかな時を超えて現代の我々に生きるヒントを示してくれる古代の叡智の数々を、ギリシア哲学研究の碩学が縦横に論じ、わかりやすく読み解いて伝える連続講義。
内容説明
ソクラテスは言う―「いちばん大切なのは、単に生きることではなく、よく生きることだ」。では「よく生きる」とはどのようなことか。「単に生きること」だけでも容易ではない状況を、人はいかに生きるべきなのか。本書はそうした根源的な問いについて、『ソクラテスの弁明』『オイディプス王』『国家』をはじめとする古代ギリシアの哲学、文学の名作を手引きに、深く掘り下げて考える。2400年のはるかな時を超えて現代の我々に生きるヒントを示してくれる古代の叡智の数々を、ギリシア哲学研究の碩学が縦横に論じ、わかりやすく読み解いて伝える連続講義。
目次
ソクラテスと「無知の自覚」
オイディプスと自己の深淵―自分を知ることの悲劇
個人と社会1―『アンティゴネー』における人の法と神々の掟
個人と社会2―プロメテウスとゼウスの贈り物
法と人間1―アンティフォンの挑戦と目撃者の不在
法と人間2―ソクラテスは、なぜ脱獄しなかったのか
力と正義1―古代ギリシア人と現実政治
力と正義2―ソフォクレス『フィロクテテス』と大政治のなかの個人
徳と悪徳1―プラトン『ラケス』と勇気への問い
徳と悪徳2―アリストテレスの勇気論
徳と悪徳3―アリスティッポスの人生指南
理性と情念1―メディアとまちがいだらけの夫選び
理性と情念2―プラトン『国家』における魂の三角関係
美とエロースの探求―プラトン『饗宴』を読む
芸術と真理―プラトン『国家』におけるミーメーシス(模倣)論
真と嘘1―ゴルギアスと、人を言いくるめる方法
真と嘘2―プラトンの弁論術批判
ソクラテスと若者たち1―アリストファネス『雲』と美風の崩壊
ソクラテスと若者たち2―エレンコス(論駁)の成人指定
国のかたち、人のかたち―民主主義と独裁
敷居の外で―伝デモステネス『ネアイラ弾効』をめぐって
理想国の女性たち―「哲人女王」への道
哲学者と自殺―ソクラテスからストア派まで
ソクラテスと老い―クセノフォン『ソクラテスの弁明』をめぐって
運命の転変と幸福―クロイソスの場合
運命と自由―自己を選ぶ
著者等紹介
三嶋輝夫[ミシマテルオ]
1949年、東京都生まれ。国際基督教大学教養学部人文科学科卒業。東京大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得退学。青山学院大学文学部教授を長く務めた。専門は倫理学・ギリシア哲学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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