出版社内容情報
『原初年代記』『イーゴリ軍記』など名高い作品を集成。各作品とロシア中世文学の特質・史的展開についての概説も付した類のない書。解説 三浦清美
内容説明
ロシア史の最も古い時期を扱い「過ぎし年月の物語」という名でも知られる『原初年代記』、ロシア的キリスト教精神を築いた12世紀の『フェオドーシイ聖人伝』、『ニーベルンゲンの歌』などと並び称される傑作『イーゴル軍記』など、名高いロシアの中世物語を集成。11世紀からピョートル1世登場前夜の17世紀末までの作品を、文学的な見地から幅広く編纂したものとして類がない。各作品解説に加え、ロシア中世文学の表現上の特徴やその史的展開についての概説も収録。世界文学の中に特異な位置を占めるロシア中世文学を知るための、色褪せない物語集。
著者等紹介
中村喜和[ナカムラヨシカズ]
1932年、長野県生まれ。一橋大学名誉教授。同大学大学院社会学研究科博士課程修了。専門はロシア中世文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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いると
2
聖人の話や軍記物などロシアの中世の話をまとめたもの。聖書からの引用やたとえ、人物の系列が複雑で読むのに骨が折れたが当時の社会の様子が垣間見られて(といっても民衆からの視点ではないけど)興味深かった。 そしてつくづく、宗教とは支配者層になんと都合の良いものかと思う2025/06/06
海
1
年代記とか軍記とかは個人的にはあんまり面白いと思えないんだけど、宗教の話、世相物語は予想以上に面白かった。19世紀のロシア文学とは明確に違うので、新鮮。2025/05/21
Mits
0
中世と言ってもずいぶんと幅が広くて、古代に片足を突っ込んでる時期から、ほぼ近世のものまである。印象に残ってるのは「主僧アヴァクーム自伝」だったかな。でも一番面白かったのは訳者による解説の部分で、このあたりの歴史をちょっと知らないといけないなと思った。ロシアにとってウクライナは民族発祥の地なのね。2025/06/21