出版社内容情報
見えないものを見えるようにすること――。真にラディカルな作品とは何か。映画史的な直感から放たれる鋭利にして至高の映画論。解説 中条省平
内容説明
映像を表現と主体意識、存在条件との間の緊張関係から考え、真の創造を探求した至高の映画論。1950年代に始まる転換期にあって、旧来的な映画観を転覆すべく、著者は思考を尖鋭化させていく。調和を失った社会のなか、見えなくなっているものを見えるようにすることを芸術における第一義の課題としながら―。アヴァンギャルドもドキュメンタリーも、つまり内と外に分かれた意識の方向も、見えないものに迫る方法として交差し、それを通じて新たなイメージは創り出される。初刊は1963年。映画史的直感や時代との格闘から生まれた洞察はいまも色褪せてはいない。
目次
1(映画芸術の現代的視座)
2(前衛記録映画論;方法とイメージ ほか)
3(残酷を見つめる眼―芸術的否定行為における主体の位置について;堕落したリアリズム ほか)
4(日常性と凝視;ドラマの無いドラマ ほか)
5(「敗戦」と「戦後」の不在;芸術的サド・マゾヒストの意識 ほか)
著者等紹介
松本俊夫[マツモトトシオ]
1932‐2017年。愛知県生まれ。東京大学文学部美学美術史学科卒業。映像作家、評論家。九州芸術工科大学教授や日本大学芸術学部芸術研究所教授などを歴任。記録映画『安保条約』、映画詩『石の詩』などを監督。また「映画批評」誌などで映画理論を展開。1961年『西陣』でヴェネツィア国際記録映画祭サン・マルコ銀獅子賞、1967年『母たち』でヴェネツィア国際記録映画祭サン・マルコ金獅子賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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