ちくま学芸文庫<br> 増補 アルコホリズムの社会学―アディクションと近代

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ちくま学芸文庫
増補 アルコホリズムの社会学―アディクションと近代

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  • サイズ 文庫判/ページ数 272p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784480512734
  • NDC分類 368.8
  • Cコード C0136

出版社内容情報

人はなぜアルコールに依存し、いかに回復するのか。社会学の視点からアディクション(依存症)を解き明かした、先駆的名著。解説 信田さよ子

内容説明

ひとはなぜアルコホリズム(アルコール依存)に陥るのだろうか。原因を「意志の弱さ」に求めていては何も解決しない。自分の意志ではどうにもできないと認めることが回復への第一歩となるのだ。そこから見えてくるのは、「自らの意志で欲求をコントロールする主体」という、近代社会の理想的人間像である。アディクション(依存症)とは、そうした近代的あり方の綻びが露呈したものに他ならない。だとすれば、回復への道は近代合理主義が切り捨ててきたものの中にこそ見出し得る―。ベイトソンやギデンズの思想に依拠しつつ、アディクションを社会学的に解明した先駆的名著。

目次

アルコホリズムへの社会学的接近
1 逸脱と医療化(アルコホリズムとスティグマ;アルコホリズムの医療化)
2 セルフヘルプ・グループ(家族療法としての断酒会とAA;セルフヘルプ・グループの機能 ほか)
3 臨床社会学(集団精神療法;集団精神療法の微視社会学 ほか)
4 アディクションと近代(共依存の社会学;アディクションと近代)
5 補論(アディクションの社会学;オープンダイアローグとアディクション ほか)

著者等紹介

野口裕二[ノグチユウジ]
1955年千葉県生まれ。北海道大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学。東京学芸大学名誉教授。専門は臨床社会学、医療社会学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

綿

5
「コントロール可能な自己」という現代社会の価値観がアルコホリズム(ものへのアディクション)や共依存(ひとへのアディクション)の根幹にあり、回復には自己のコントロール不可能性を認めるしかない、しかし回復後に復帰する社会もまた共依存的であるのならば、という考察が非常に興味深い。「推し活」と呼ばれるような行為に熱中する人が多く見られる現代において、その行為もまたひとやものへのアディクションのひとつのあり方ではとここ数年考えていたけれど、その考えを深めるためのヒントになるような書籍でもあった。2025/05/29

袖崎いたる

4
よくもまぁ手にとったものよ。考えてることがあって、そのなかにお酒のトピックもあったんだわ。その線でどーかなぁと思って。そしたら、良かった。アルコホリズムを近代の病理と位置付ける発想はベイトソンやギデンズなどの目を通している。断酒会AAのアル中の人に対する無知の自覚ならぬ無力の自覚をうながすことの効用、またはアルコホリズムが近代以降の自己が負うこととなった再帰性の論理的必然として語られることなど、じつに玩味しがいがある。國分功一郎が意志をヤクだと説いたのとも響き合う。そのヤクを手放す勇気に「神」は位置付く。2025/03/09

ポルターガイスト

3
臨床を中心にアルカホリックの社会学的分析を行う。とてもよかった。特に終盤の展開は鮮やかで感動した。単なる文明批評にとどまらない社会学の有用性を感じ,誰しも読めば言いたいことがわいてくるタイプの古い本だった。俺は自分が教員としてやりたかったことを思い出した気がする。それはプラグマティズム(この本では「再帰的(reflexive)」)による共依存からの脱却なのだろう。ただ本書によればプラグマティズムの人間関係への拡大や苦痛こそがアディクションの根源にある。凝り固まった俺の価値観に石を投げてくれる本だった。2025/07/27

Go Extreme

1
アルコール依存症はいつから病気になったのか 臨床社会学 医療化 社会病理 スティグマ 意志の病 精神病院帰り 偏見と闘う 最初の1杯の危険性 アルコホリックス・アノニマス 身体アレルギー説 コントロール喪失 無力 12のステップ 問題飲酒概念 共依存 イネイブラー ソーシャル・ネットワーク ネットワーク・セラピー 脱医療化 集うこと 代替機能と創造機能 援助者療法原理 酒なしの新たな生き方 否認の病 Co-dependency コ・アルコホリック 心理的転換 自己をモニターする近代人 酔いと覚醒の関係2025/04/15

ゴリラ爺

0
アルコホリズムという「病」の近代性について論じた3〜40年前の書。当時最先端だった英米系のアルコホリズムの治療に向けた取り組みや批評的側面を整理して紹介したという点で有意義であり、敬意を払われるべき仕事だが、この本で書かれているようなことは最新の専門書では序論や第1章にまとめられてしまう前提に過ぎないと思う。2020年代後半の現在読む意味はあまり無い。2026/06/11

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