出版社内容情報
中国古典詩は抒情の器としてその適正の高さを示す。本書は「詠懐」から「自適」まで十二のテーマに分類し、珠玉の名詩を精選。解説 赤井益久
内容説明
詩歌の歴史は、人々の美感や美意識の歴史である。とりわけ、中国古典詩は、「抒情の器」として数多の名詩を生み出してきた。本書は、そうした歴史のなかから、「詠懐」「山水」「情愛」「飲酒」「自適」など12の章に分類し、主要作品を紹介。個々の作品の鑑賞を通して、それぞれの主題に関わる詩的時間の推移が追体験されることを目指している。詩の選択にあたっては、中国の詩歌史における源泉的作品、典型的な表現効果のある作品、独自の表現効果をもつ作品、という3つの観点からなされた。中国詩の広さと高さを伝える珠玉のアンソロジー。
目次
1 詠懐のうた―わが心わが思い
2 詠物のうた―実相を求めて
3 情愛のうた―愛の深層
4 友情のうた―思念と信頼
5 戦乱のうた―戦いの本質
6 飲酒のうた―日常性をこえて
7 山水のうた―風景の発見
8 懐古のうた―滅びしものへ
9 羈旅のうた―異郷に在って
10 離別のうた―去りゆくもの
11 経世のうた―人の世のために
12 自適のうた―執われぬ心を
著者等紹介
松浦友久[マツウラトモヒサ]
1935‐2002年。静岡県生まれ。早稲田大学大学院文学研究科博士課程中退。元早稲田大学文学部教授。文学博士。専門は漢文学史、唐詩・日中比較詩学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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