ちくま学芸文庫 アステカ・マヤの神話

タウベ，カール【著】/藤田 美砂子【訳】

筑摩書房（2024/11発売）

• サイズ 文庫判／ページ数 224p／高さ 15cm
• 商品コード 9784480512628
• NDC分類 164.56
• Cコード C0122

出版社内容情報

写本や発掘調査・古代文字解読から、メソ・アメリカの伝統文化に今日も生き続ける神話解釈を紹介。第一人者による密度の濃い入門書。解説　青山和夫

内容説明

１６世紀にスペイン人によって征服された、メソアメリカ文明。その神話と伝承に共通する着想や宗教的モチーフは、植民地時代の文献史料や「ポポル・ヴフ」のような神話・歴史書を通しても伝えられ、今日も伝統文化のなかに生き続けている。破壊と再生による天地創造、人間とトウモロコシの起源、５つの太陽、羽毛の蛇ケツァルコアトル（ククルカン）、血の供犠、そして複雑な暦。本書は、碑文解読や史料研究を踏まえつつ、考古学調査の成果も紹介する。メソアメリカ研究第一人者による、簡潔な小著にして、密度の濃い入門書。

目次

主な資料と研究史
アステカの神話（天地創造；天地の再生；人間の起源；トウモロコシの起源；プルケの起源　ほか）
マヤの神話（『ポポル・ヴフ』―原初の起源；双子の英雄とシバルバ攻略；トウモロコシと人間の起源；古典期マヤの宗教にみる『ポポル・ヴフ』創世神話；ユカタンのマヤ神話　ほか）
メソアメリカの神話

著者等紹介

タウベ，カール［タウベ，カール］ ［Ｔａｕｂｅ，Ｋａｒｌ］
１９５７年、米国シカゴ生まれ。カリフォルニア大学バークレー校、イェール大学で学ぶ。カリフォルニア大学教授。専攻、人類学・考古学およびメソアメリカ図像学・美術・文字研究

藤田美砂子［フジタミサコ］
１９６７年生まれ。翻訳者。津田塾大学学芸学部英文学科卒（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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感想・レビュー

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[のりべぇ]

メソアメリカの第一人者カール・タウベ氏による「Aztec and Maya Myths」1993年の邦訳文庫本。侵略後の各文明研究の流れも含めまとめられている。神話は概要でいろいろな場所を一緒くたにしたせいか、理解し難く一連の流れもつかみ難い。気になる文化ではある。

2025/04/14

[Go Extreme]

16世紀ー複雑な行政・政治機構をもつ大都市　難解な文字や暦法使用　洗練された詩・音楽・踊り・絵画・彫刻 古代メソアメリカ宗教：暦法　昼と夜　双子　役割モデルと品行 アステカ神話： 天地創造　天地の再生　人間の起源　トウモロコシ・プルケの起源　五番目の太陽の創造　アステカ王国の神話　ウィツィロポチトリ誕生 マヤの神話： ポポル・ヴフ―原初の起源 双子の英雄とシバルバ攻略 トウモロコシと人間の起源 古典期マヤの宗教・『ポポル・ヴフ』創世神話 ユカタンのマヤ神話 ユカタンの創世神話と洪水・暦 メソアメリカの神話

2024/12/09

[SOLVEIG]

《読書用読書》的なところ大ではあったけれど、テレビでマヤやアステカの番組があると結構見る……という程度には興味もあって手に取った。タイトルからは《おはなし》って感じを受けるけど、学術書的な部分の方が多かった。少々残念……というか、そっちにも関心はあるからいいんだけれど、ちゃんとお話の形で《神話》も読みたかったなと。

2025/04/09

[Go Extreme]

アステカとマヤ神話解説書：考古学 碑文 図像研究に基づく文庫版 宇宙観と創造神話：創造 破壊 再生サイクル 五つの太陽 人間起源 神々：主要神（ケツァルコアトル等）の属性 関係性 二元論 暦法と儀礼：神聖な周期認識 秩序維持のための供犠の重要性 ポポル ヴフ：マヤ創造神話 英雄双子物語 古典期からの連続性 資料と解釈：絵文書 植民地時代記録（サアグン ランダ等） 研究史 人間の役割：神々への栄誉（祈り 供物） 現代への継承：現代マヤ文化に残る神話要素 結論：図版豊富な入門書 メソアメリカ精神世界の理解へ

2025/04/17

[syk]

文化も時代も違う現代日本で生きている私には神話のストーリーは理解できなくて当然なんだけど、それにしてもなんでこの流れに！？と驚き、その中で月にうさぎを見るのが同じというところにもまた驚いた。私には突飛に思えるストーリーを読み解いていく学者さんってすごいな…そしてずっと昔の神話が、しかも侵略されて沢山奪われた土地の神話が、こうやって現代でも読めている。伝える事と遺す事って本当に大事なんだなと。

2025/04/12