出版社内容情報
1931年から1945年まで15年の長きにわたる戦争で、日本は中国にも敗北した。多様な人々の視点を通して全体像を復元する。解説 一ノ瀬俊也
内容説明
1931年から1945年の15年にわたる戦争で、日本はアメリカのみならず中国にも敗北したのだ―著者は、陸軍の企図・満州利権・戦費調達など国内の政治経済的背景に加え、中国側の論理も含めて戦争の経緯を説く。生々しい戦場の実態や兵士の証言など、個々人にも強く焦点をあてた著者特有の記述が、戦争の真の全体像を浮き彫りにし、戦後日本社会の深層に与えた影響も説明する。歴史教育現場からの発言を続けた著者が豊富な史料を交え、人間の内なる「戦争へのあこがれ」に抗すべく、平和への熱情を注ぎこんだロングセラー。
目次
概観 日中戦争と太平洋戦争
中国革命にはむかうもの
乾いた大陸―満州事変
満州占領―「王道楽土」の現実
上海のたたかい―ある「序曲」
万里の長城をこえるとき―「ドミノ理論」のゆくえ
統一中国への道
日中全面戦争の開始
苦悶する中国
「国民政府を対手とせず」
たたかいの日々―徐州・漢口・広東
生と死の構造
北のくにの「銃後」
もう一つの「中華民国」―ある「偽国」の成立
「点と線」への道
「軍国化」の経済構造
ある「共和国」の誕生―「辺区」の抵抗の構造
ある中国理解者の生涯―尾崎秀実の生と死
日中戦争から日米戦争へ
たたかいのはてに―12枚のカード
終局
著者等紹介
黒羽清隆[クロハキヨタカ]
1934‐87年。東京生まれ。東京教育大学文学部史学科卒業。静岡大学教育学部教授を務め、NHKテレビ通信高校講座日本史も担当した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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