出版社内容情報
これは「私のもの」ではなかったのか?エチオピアの農村で現地の人ととも生活するなかでしか見えてこないものがある。私的所有の謎に迫った名著
内容説明
これは「わたしのもの」ではなかったのだろうか。調査地でのある出来事から、私的所有の感覚がゆらぐ経験をした著者は、所有への違和感を抱きつつエチオピアの農村へ向かう。畑を耕す牛、畑になる穀物、台所道具、生活する人々など、ミクロなものに目を向けて調査していくなかで見えてきたものとは?作物は頻繁に分配され、持てる人から貧しい人に与えられる。土地を所有することと利用することの関係。国家による「土地」のコントロール。様々な角度から私的所有をめぐる謎を掘り下げていく。気鋭の文化人類学者による鮮烈なデビュー作。
目次
序論(所有と分配の人類学;多民族化する農村社会)
第1部 富をめぐる攻防(土地から生み出される富のゆくえ;富を動かす「おそれ」の力;分配の相互行為;所有と分配の力学)
第2部 行為としての所有(土地の「利用」が「所有」をつくる;選ばれる分配関係;せめぎあう所有と分配)
第3部 歴史が生み出す場の力(国家の所有と対峙する;国家の記憶と空間の再構築;歴史の力)
結論(所有を支える力学)
著者等紹介
松村圭一郎[マツムラケイイチロウ]
1975年熊本生まれ。京都大学大学院人間・環境学研究科博士課程修了。岡山大学文学部准教授。専門は文化人類学。所有と分配、海外出稼ぎ、市場と国家の関係などについて研究。著書に『くらしのアナキズム』『小さき者たちの』『うしろめたさの人類学』(第72回毎日出版文化賞特別賞、いずれもミシマ社)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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