出版社内容情報
中国文学において常に主流・精髄と位置付けられてきた「詩文」。先秦から唐宋を経て近代まで、一冊で歴史の流れが分かる平明な中国詩論。 解説 川合康三
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中国文学においてつねに主流・精髄と位置付けられてきた「詩文」。本書は、吉川幸次郎がその中国詩をめぐって書いた評論を選りすぐり、編者高橋和巳によって歴史順に編まれたものである。中国古典の世界に新たな風を吹き込んだ著者は、単に詩文の変遷を総覧するのみならず、ひとりの人間としての作者の心情に作品を結びつけ、現代日本の読者にいまいちど漢詩を生きた文学として読みなおしてみせる。先秦から唐宋を経て近代まで、長大な中国の歴史をつらぬく詩文の世界を、驚異的な学識をもって網羅し簡明に描き出した一冊。
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先秦から唐宋をへて近代まで――
詩文が紡いできた歴史
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【目次】
序 一つの中国文学史
先秦
『詩経』と『楚辞』/新しい慟哭 ― 孔子と「天」 ―
漢
項羽の垓下歌について/漢の高祖の大風歌について/司馬相如について/常識への反抗 ― 司馬遷の『史記』の立場 ―/短簫鐃歌について
三国
曹操の楽府/孔融について/曹植について /阮籍伝/阮籍の詠懐詩について
六朝
陶淵明/燃焼と持続 ― 六朝詩と唐詩 ―
唐
唐詩の精神
/李白と杜甫/牡丹の花 ― 李白のおはなし ―/杜甫小伝/韋応物の詩/韓退之の詩/白居易について/杜牧について/李商隠について
宋
宋詩の場合/蘇軾について/詩人と薬屋 ― 黄庭堅について ―/陸游について
元明
元好問について/高啓について /李夢陽の一側面 ― 古文辞の庶民性 ―
清
漁洋山人の秋柳詩について/清末の詩 ― 散原精舎詩を読む ―
近代
魯迅について
終章 中国の古典と日本人
解 説 高橋和巳
文庫版解説 「詩」として蘇る中国古典詩 川合康
内容説明
中国文学においてつねに主流・精髄と位置付けられてきた「詩文」。本書は、吉川幸次郎がその中国詩をめぐって書いた評論を選りすぐり、編者高橋和巳によって歴史順に編まれたものである。中国古典の世界に新たな風を吹き込んだ著者は、単に詩文の変遷を総覧するのみならず、ひとりの人間としての作者の心情に作品を結びつけ、現代日本の読者にいまいちど漢詩を生きた文学として読みなおしてみせる。先秦から唐宋を経て近代まで、長大な中国の歴史をつらぬく詩文の世界を、驚異的な学識をもって網羅し簡明に描き出した一冊。
目次
序 一つの中国文学史
先秦
漢
三国
六朝
唐
宋
元明
清
近代 魯迅について
終章 中国の古典と日本人
著者等紹介
吉川幸次郎[ヨシカワコウジロウ]
1904‐80年。神戸市生まれ。京都帝国大学文学部文学科入学、支那文学を専攻。1928‐31年、中国留学。京都大学人文科学研究所東方学研究部研究員を経て、京都大学教授。この間、数々の著書を発表、日本の中国文学の普及に大きく貢献、日本芸術院会員、文化功労者となる
高橋和巳[タカハシカズミ]
1931‐71年。中国文学者、小説家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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