ちくま学芸文庫<br> “ほんもの”という倫理 近代とその不安

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ちくま学芸文庫
“ほんもの”という倫理 近代とその不安

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  • サイズ 文庫判/ページ数 241p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784480511607
  • NDC分類 104
  • Cコード C0112

出版社内容情報

個人主義や道具的理性がもたらす不安に抗するには「〈ほんもの〉という倫理」の回復こそが必要だ。現代を代表する政治哲学者の名講義。解説 宇野重規

===
近代社会に特有の、三つの不安がある。第一に、個人主義により道徳の地平が消失すること。第二に、費用対効果の最大化を目的とする道具的理性が社会の隅々にまで浸透すること。第三に、「穏やかな専制」が訪れて人々が自由を喪失し、政治的に無力になること。著者はこれらの不安の由来と根拠をあらためて問い質し、近代の道徳的理想、すなわち「〈ほんもの〉という倫理」の回復こそが、よりよい生と未来を切り拓くための闘争を可能にすると説く。現代を代表する政治哲学者が、その思考のエッセンスを凝縮した名講義。
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今、テイラーを読み直すなら、本書は格好の入り口になる──宇野重規
「希望」へのリアリズム

===

【目次】
第1章 三つの不安
第2章 かみ合わない論争
第3章 ほんものという理想の源泉
第4章 逃れられない地平
第5章 承認のニード
第6章 主観主義へのすべり坂
第7章 闘争は続く
第8章 より繊細な言語
第9章 鉄の檻?
第10章 断片化に抗して

訳者あとがき
文庫版訳者あとがき
解説 テイラーを理解するための格好の入り口(宇野重規)

索引

内容説明

近代社会に特有の、三つの不安がある。第一に、個人主義により道徳の地平が消失すること。第二に、費用対効果の最大化を目的とする道具的理性が社会の隅々にまで浸透すること。第三に、「穏やかな専制」が訪れて人々が自由を喪失し、政治的に無力になること。著者はこれらの不安の由来と根拠をあらためて問い質し、近代の道徳的理想、すなわち「“ほんもの”という倫理」の回復こそが、よりよい生と未来を切り拓くための闘争を可能にすると説く。現代を代表する政治哲学者が、その思考のエッセンスを凝縮した名講義。

目次

第1章 三つの不安
第2章 かみ合わない論争
第3章 ほんものという理想の源泉
第4章 逃れられない地平
第5章 承認のニード
第6章 主観主義へのすべり坂
第7章 闘争は続く
第8章 より繊細な言語
第9章 鉄の檻?
第10章 断片化に抗して

著者等紹介

テイラー,チャールズ[テイラー,チャールズ] [Taylor,Charles]
1931年、カナダ生まれ。オックスフォード大学にて博士号(哲学)取得。マギル大学名誉教授。自己論や道徳論から、言語論、宗教論など幅広く論じ、テンプルトン賞、京都賞などを受賞。ケベック新民主党の結成にも参加した

田中智彦[タナカトモヒコ]
1967年生まれ。東洋英和女学院大学人間科学部教授。専門は倫理学、思想史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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遊動する旧石器人

3
2023年3月10日第1刷発行。右でも左でもない、第3の選択肢を考える筆者の考えがよく分かる1冊。確かに、相対主義によって、個人主義・主観主義が敷衍している現在の日本では、共同体という概念は陳腐になっている。そのため市民権の1つでもあった自由選挙権は、「行使しない自由」で罷り通っている。もはや群れることも好まない個人主義化した社会は、すべり落ちた社会である。ただ同時に、〈ほんもの〉の基軸も存在しない。そのため、他者からの承認を欲している。そこには自己発見も、ましてや自ら責任を引き受ける生き方も存在しない。2023/05/03

フクロウ

2
テイラーの言う「〈ほんもの〉」は、与えられる「ほんもの」が「ほんもの」ではなくなり、ゆえに我々の渇望に応え、不安を解消してくれるいわば「絶対」や「客観的な正解」がなくなった、「神殺し」の、そして「個人主義」の「近代」以後に生まれた。もっとも、「〈ほんもの〉」は「ほんもの」、すなわち「自己実現」や「自己達成」や「自律的判断」と混同されてきた。しかし、「自律的判断」の確保等は、近代以後の寄る辺なき「個人」の不安を解消してくれない。淵源に照らせば、「〈ほんもの〉」は「重要な他者」からの「承認」が必要である。2024/07/19

フクロウ

2
しかし、「ほんものauthenticity」ってなんだ!?普通の人なら他者、隠者なら神、孤高の芸術家なら未来の観衆(細田守『時をかける少女』の千秋が過去に来た理由は1枚の絵)、ドゥオーキンなら神なき宗教、日本国憲法97条なら人類の歴史、後期テイラーならキリスト教的神、私なら学問的蓄積。アトミズムの対義語はホーリズム、個人主義の対義語は全体主義(小林正弥)。2023/07/30

有智 麻耶

2
本書は、日本では主にコミュニタリアニズムや多文化主義の政治哲学者として理解されてきたテイラーが、第二の主著『自己の源泉——近代的アイデンティティの形成』から、真正性の倫理に関わる論点を要約して語った講義である。ゼロ年代のテイラーは『今日の宗教の諸相』や『近代の社会的想像』を経て、第三の主著『世俗の時代』にいたるのだが、それらの著作で展開される論点のおおくは、本書に含まれているといえる。もっとも読みやすい、テイラーの思想への入門書だと思う。2023/03/27

chiro

1
「ほんもの」という概念の理解が難しいが著者の語るところを後書きで宇野重規氏が「自分らしさ」と言い換えているがその意味で考えると著者の主張が自分らしさを求めることが公共的にも他者との軋轢を生まないことも求められなければならず、その規範として倫理という考え方を置いていることは理解できる。現在の民主主義が自由にある意味変更する余り分断を解消し得なくなって来ていることを考えるときこの「ほんもの」という倫理という考え方がより求められているように感じた。2023/04/12

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