出版社内容情報
安楽死・尊厳死を「良い死」とする思考を批判的に検討し、「良い死」を追い求めたりせず「唯の生」でよいではないかと呼びかける書。解説 大谷いづみ
内容説明
「病で死ぬとしてもその時までしたいことをし、楽をするのがよい」と考える著者が、安楽死・尊厳死を「良い死」とする思考を批判的に検討。病を得、あるいは老衰のため身体や思考をうまく働かせられない人に、生きる価値がないと思わせてしまう現代社会。「留保なしの生存」を妨げる種々の規範や価値が埋め込まれているこの社会を、「生きたいなら生きられる」社会へと変えていくには何が必要か。「良い死」を追い求めるのはやめ、「唯の生」でよいではないかと呼びかける。単行本『良い死』に、単行本『唯の生』の第5章~第7章を加えて文庫本とした決定版。
目次
第1部 良い死(要約・前置き;私の死;自然な死、の代わりの自然の受領としての生;犠牲と不足について)
第2部 唯の生(死の決定について;より苦痛な生/苦痛な生/安楽な死;『病いの哲学』について)
著者等紹介
立岩真也[タテイワシンヤ]
1960年生まれ。立命館大学大学院先端総合学術研究科教授。社会学専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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rune
4
独特のもったりとした文体で紡がれる600頁超の文章を読み通すのは、控えめに言っても苦行である。しかし、大事なことが書かれているから読まないといけない。そういう本である。/本書は、尊厳死・安楽死の法制化に反対するために書かれている。尊厳死・安楽死を肯定する人たちは、それが①自分が決める、②自然な、③他人を思いやっての死であるから、それをよしとする。この3点について著者は批判的な検討を加える。第一に、自分が決める死について。まず、当人の生き死にに関わることだから当人の意思を尊重すべきだと言われるが、2023/02/12
ほしそらねこちゃ
3
なかなか進まなくて、年末から読み始めて1ヶ月かかってしまった。その最中に先般の集団自決云々のアレとかがあり(全く浅はかだ)、色々思考が深まるところではあった。2023/01/28