ちくま学芸文庫<br> インド大反乱 一八五七年

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ちくま学芸文庫
インド大反乱 一八五七年

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  • サイズ 文庫判/ページ数 304p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784480511294
  • NDC分類 225.05
  • Cコード C0122

出版社内容情報

東インド会社の傭兵シパーヒーの蜂起からインド各地へと広がった大反乱。民族独立運動の出発点ともいえるこの反乱は何が支えていたのか。解説 井坂理穂

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東インド会社の傭兵シパーヒーの蜂起に端を発し、インド亜大陸全体へと飛び火した大反乱。ムガル帝国皇帝を擁立した反乱軍はデリーに政権を樹立して闘争を繰り広げるが、内紛と分裂を経て、やがて大英帝国による直接統治という結末を迎える。この反乱を支えたのは、いったい何であったのか。農村社会の変容、ヒンドゥー教・イスラム教ほかの宗教、カースト制度など、本書は複雑なインド社会の根幹部分を丹念にすくいあげて分析しながら、そこに携わった多様な人々のリアルな姿も活写。20世紀の独立へと持ち越された、インド民族運動の真実の姿を描きだす。 
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傭兵蜂起からインド全土に燃え広がった
民族運動の出発点

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【目次】
反乱の予兆
エンフィールド銃/パーラクプル、一八五七年三月
Ⅰ 反乱の社会的背景
ムガル帝国/ムガル帝国の農村支配/ムガル帝国と都市/ムガル帝国と外国貿易/東インド会社から直接統治へ/ムガル帝国の衰退/ムガル皇帝の役割/プラッシーの戦い以後のインドとイギリス/インド農村の変容/ムガル皇帝と東インド会社/最後の皇帝バハードゥル・シャー二世/シパーヒー(セポイ)とは何か/異様な風体の階層/シパーヒーの恩恵/引き裂かれた青年たち/カーストの意味するもの/発端=薬包使用拒否事件/メーラトの蜂起/反乱軍デリーへ
Ⅱ 反乱政府 ―― デリー、五月~九月
ムガル皇帝の登場/デリー攻撃/ムガル皇帝の復権/反乱政府の成立/行政会議の成立/反乱軍総司令官の選出  デリー市民の反応/シパーヒーの飢え/内通する人々への怒り/ヒンドゥーとムスリムの対立/デリー反乱軍の戦略プラン/ヒンダン河の戦闘と王子の戦線逃亡/パトリー・キ・サラーエの戦闘反乱軍、最初の勝利/六月二十三日の戦闘/バフト・ハーン将軍の到着/総司令官に任命されたバフト・ハーン/反乱軍内部の対立/デリー火薬庫、二度目の爆発/反乱軍の分裂/行政会議の組織替え/九月五日の謁見/あるスパイの報告より/ムガル皇帝進軍事件/デリー陥落
Ⅲ 反乱と農村社会
農民の蜂起/農民反乱の担い手/反乱の組織とカースト/反乱政府からの呼びかけ/皇帝の農村政策/シパーヒーの農民政策
Ⅳ 各地の反乱
マラーター同盟の後裔/ナーナー・サーヒブ、カーンプルへ/カーンプル反乱政府の成立/タートヤ・トーペーの闘い/ラクナウのアワド王国/アフマッドゥッラーの動き/アワド反乱政権の構造/王妃ハズラト・マハルの役割/反乱政府の分裂/アフマッドゥッラーの権力掌握/反乱の東端ビハール/ビハール反乱の端緒/クンワル・シングの登場/クンワル・シングの転戦/反乱のジャンヌ・ダルク、ラクシュミー・バーイー/イギリスのジャーンシー統治開始/ジャーンシーの反乱
結 び

内容説明

東インド会社の傭兵シパーヒーの蜂起に端を発し、インド亜大陸全体へと飛び火した大反乱。ムガル帝国皇帝を擁立した反乱軍はデリーに政権を樹立して闘争を繰り広げるが、内紛と分裂を経て、やがて大英帝国による直接統治という結末を迎える。この反乱を支えたのは、いったい何であったのか。農村社会の変容、ヒンドゥー教・イスラム教ほかの宗教、カースト制度など、本書は複雑なインド社会の根幹部分を丹念にすくいあげて分析しながら、そこに携わった多様な人々のリアルな姿も活写。20世紀の独立へと持ち越された、インド民族運動の真実の姿を描きだす。

目次

反乱の予兆(エンフィールド銃;バーラクプル、一八五七年三月)
1 反乱の社会的背景(ムガル帝国;ムガル帝国の農村支配 ほか)
2 反乱政府―デリー、五月~九月(ムガル皇帝の登場;デリー攻撃 ほか)
3 反乱と農村社会(農民の蜂起;農民反乱の担い手 ほか)
4 各地の反乱(マラーター同盟の後裔;ナーナー・サーヒブ、カーンプルへ ほか)
結び

著者等紹介

長崎暢子[ナガサキノブコ]
1937年、東京生まれ。東京大学文学部東洋史学科卒業。東京大学東洋文化研究所を経て、東京大学教養学部教授、龍谷大学国際文化学部教授を歴任。現在、東京大学名誉教授、龍谷大学名誉教授。専門、インド近代史、南アジア地域研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

skunk_c

71
原著は1981年に中公新書で出されており、40年以上前の本だが、おそらくこれに代わるシパーヒーの反乱についての概説書はないのではと思わせる内容。首都へ集まったシパーヒーたちが皇帝を押し立てようとするが、当の皇帝はイギリスとの関係を意識して曖昧に動く。でも結局それでムガル帝国は滅亡するのだから、読みが甘かったといえるか。本書の醍醐味は地方反乱についても章をさいて書いていること。東インド会社の統治がほころび始めて収奪的要素が高まった中での反乱といえるか。カースト、宗教が複雑に絡む歴史をうまく解きほぐしている。2023/05/05

A.T

26
インドが145年前に英国による植民地支配に反旗を翻した「大反乱」をざっくりまとめている。まるで歴史小説のように読みやすいのは、著者 長崎暢子氏の「つぶやき」のようなコメントが随所に挟み込まれているため。日本人なら疑問に思う箇所にツッコミが入る。それにしても。約40年前の著書だが、今読んでも初耳の事実だらけ… どれだけアジアに疎いのかということである。一言で植民地と片付けてはいけない。1企業でしかなかった東インド会社が100年以上にも渡ってインドの租税を牛耳るまでになった事実を見過ごすべきではない。2022/08/01

MUNEKAZ

18
意外と類書のないインド大反乱の概説書。シパーヒーたちの反乱が、燎原の火のごとくインド全土に広がっていく様が、情感豊かに描かれている。ただデリーを占拠したシパーヒーたちがムガル皇帝を担いだとはいえ、その影響力は全土には及ばず、あくまで地方反乱が同時多発的に起きただけという側面も興味深いところ。そうした結束の弱さを、英側は正確に突いて反乱の鎮圧に役立てている。またカーストによる横の繋がりが、反乱の際には大きな紐帯を果たしたというのも面白い。差別や分断という印象のあるカースト制の、また違う側面をみる感じである。2023/05/13

さとうしん

16
反乱の起こりとシパーヒーたちの背景、デリーの旧支配者層、特にムガル皇帝の動き、ラクシュミー・バーイーら著名な指導者を中心とするの動きなど地方での反乱といった、インド大反乱の流れと、イギリス側も含めて反乱に加わった様々な人々、階層の動きと思惑、そして反乱の限界をまとめている。当時の社会背景にもある程度目を配っている所と、日本の幕末の尊皇攘夷との比較が面白い。2022/07/15

yoneyama

11
1981年刊の再出版名著、噂通り面白い。文章がうまく構成もキレている。この世代で東大の女性東洋史学者の博学が伺える。多くの文献に基づいたと思われる記述で本物感あります。セポイの乱という歴史有名ワードのこと何も知らなかった。反英国民蜂起というほどのものではなく、宗教的に絶対ダメな事件が契機だったのが意外。イギリス人はごく少数で100年も支配していたのも意外。当時のシパーヒーはじめインド人の身の上や考えている事などが小説のようによくわかる鮮やかな読書。インド人は宗教的理由で海外派兵が嫌だったんだ! 2024/10/19

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