出版社内容情報
「革命的な学としての民族誌学」と「モンテーニュへの回帰」。発見された二つの講演録から浮かび上がる思考の力線とは――。訳者渾身の論考も収録。
内容説明
新たに発見されたレヴィ=ストロースの二つの講演、「革命的な学としての民族誌学」(1937年)と「モンテーニュへの回帰」(1992年)を訳出。伝播主義時代の証言をなす前者は、モンテーニュのまなざしの下、民族学的な「革命的意志」を示しつつ、人類に特有の停滞状態は借用と接触によってこそ破られると説く。そして、生前最後の講演のひとつである後者では、いかなる改良主義も警戒した人としてモンテーニュが前面に現れる。その「野蛮=野生」の定義を確認し、人類学者はそこに人間社会の省察がたどることになる思潮の先駆を見た―。二つの講演が秘める思考の射程に迫った監訳者の論考も収録。
目次
革命的な学としての民族誌学
モンテーニュへの回帰
レヴィ=ストロース(一九〇八‐二〇〇九)―略歴のポイント
付論 南方の澱―レヴィ=ストロースとモンテーニュ(真島一郎)
著者等紹介
レヴィ=ストロース,クロード[レヴィストロース,クロード] [L´evi‐Strauss,Claude]
1908‐2009年。フランスの人類学者。“構造主義”を提唱し、親族構造の研究や神話研究を通じて、人類学にとどまらず、人間科学の領域全体に20世紀最大ともいえる成果を残した
真島一郎[マジマイチロウ]
東京外国語大学総合国際学研究院教授。専門は文化人類学
昼間賢[ヒルマケン]
東京理科大学教養教育研究院教授。専門はフランス両大戦間の文学と文化(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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