ちくま学芸文庫<br> 陸軍将校の教育社会史〈下〉―立身出世と天皇制

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ちくま学芸文庫
陸軍将校の教育社会史〈下〉―立身出世と天皇制

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  • サイズ 文庫判/ページ数 352p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784480510549
  • NDC分類 396.21
  • Cコード C0121

出版社内容情報

陸軍将校とは、いったいいかなる人びとだったのか。前提とされていた「内面化」の図式を覆し、「教育社会史」という研究領域を切り開いた傑作。

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陸軍将校もまた、生身の人間だった。日本における天皇制と教育との関わりとはどのようなものであったのか。満州事変から太平洋戦争へと至る、戦時体制の積極的な担い手はいかなる存在であったのか。旧軍関係者への聞き取りを行うとともに、旧軍文書や文学評論、生徒の日記など膨大な史料を渉猟し、その社会化のプロセスをつぶさに浮かび上がらせる。下巻には、「〈第2部〉 陸士・陸幼の教育」第3章から「〈結論〉 陸軍将校と天皇制」までを収録する。教育社会史という研究領域の新生面を切り拓いた傑作。  解説 松田宏一郎
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【目次】(下巻)
〈第Ⅱ部〉 陸士・陸幼の教育
第三章 将校生徒の自発性と自治
第一節 はじめに/第二節 天皇への距離/第三節 自治と自発性 第四節 小括

第四章 将校生徒の意識変容
第一節 将校生徒の本務=勉強への専心/第二節 ある生徒の日記から/第三節 小括

第五章 一般兵卒の〈精神教育〉
第一節 はじめに/第二節 徳目から世界観へ/第三節 精神訓話の限界 第四節 将校の自己修養/第五節 身体訓練と監視/第六節 〈精神教育〉の限界と効果

〈第Ⅲ部〉 昭和戦時体制の担い手たち
第一章 社会集団としての陸軍将校
第一節 はじめに/第二節 昇進の停滞/第三節 俸給水準の相対的低下/第四節 退職将校の生活難問題/第五節 構造的問題 第六節 将校の意識と行動/第七節 小括

第二章 「担い手」諸集団の意識構造
第一節 課題/第二節 憲兵・兵士・在「満支」邦人/第三節 教師/第四節 小括

〈結論〉 陸軍将校と天皇制
第一節 近代日本の陸軍将校/第二節 イデオロギー教育とは何であったか/第三節 「内面化」図式を越えて


文献一覧
あとがき
解説 松田宏一郎

内容説明

陸軍将校もまた、生身の人間だった。日本における天皇制と教育との関わりとはどのようなものであったのか。満州事変から太平洋戦争へと至る、戦時体制の積極的な担い手はいかなる存在であったのか。旧軍関係者への聞き取りを行うとともに、旧軍文書や文学評論、生徒の日記など膨大な史料を渉猟し、その社会化のプロセスをつぶさに浮かび上がらせる。下巻には、「第2部 陸士・陸幼の教育」第3章から「結論 陸軍将校と天皇制」までを収録する。教育社会史という研究領域の新生面を切り拓いた傑作。

目次

第2部 陸士・陸幼の教育(将校生徒の自発性と自治;将校生徒の意識変容;一般兵卒の“精神教育”)
第3部 昭和戦時体制の担い手たち(社会集団としての陸軍将校;「担い手」諸集団の意識構造)
結論 陸軍将校と天皇制

著者等紹介

広田照幸[ヒロタテルユキ]
1959年生まれ。現在、日本大学文理学部教育学科教授。研究領域は教育社会学で、近現代の教育を広く社会科学的な視点から考察している。1997年、『陸軍将校の教育社会史』(世織書房)で第19回サントリー学芸賞(思想・歴史部門)受賞。著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

金吾

28
◎上巻ほどではありませんが、膨大な資料を駆使して、陸軍将校を作り上げる過程にアプローチしています。色々な資料を比較していますので、陸軍将校像が画一的なものではなく理解しやすいです。本音と建前の融合、社会集団としての陸軍将校は面白かったです。2023/02/22

MUNEKAZ

14
下巻はいよいよ天皇制イデオロギーが将校の内面に及ぼす影響に触れる。「滅私奉公」を求めながらも、個人の野心を奨励するという二律背反した将校教育の実情が興味深い。個人の「立身出世」が、親への「孝行」に繋がり、ひいては天皇・国への「奉公」に至る。将校たちがいかにイデオロギーを内面に落とし込み、自己の欲望と折り合いをつけてきたかは面白い。また同時に大正期の昇進の遅れ、軍人の俸給の相対的な低下が、彼ら将校にとって実に切実な問題であったかもよくわかる。天皇制を信じたのではなく、己の野心のために利用・順応したのである。2022/12/06

CTC

11
上下巻の下。当巻は統計を用いて事実を導くような内容は少なく…生徒の日記や記録、先行研究から陸士・陸幼生徒の意識を考察したり、社会的存在としての陸軍将校を考察する。ここで改めて本書タイトルを見直すと…“社会教育史”なる聞き慣れぬテーマの本なのだ、社会教育学は名の通り社会学と教育学の学際研究で、著者の専門らしい。更に題材が歴史学の領域となり、このタイトル構成となるようだ。凄く狭い領域の話をしているようで…結局“学”の本で歴史の本じゃあないので、実態のあるようなないような。そのように感じる論、って感じかな。2021/08/29

フェイ

3
上巻の続き 陸軍軍人に限らず当時の日本人は立身出世的思考を表面上毛嫌いしていたが、それは本音と建前に過ぎない。特に軍人は立身出世が国のためにつながるという意識であった。陸軍将校は自分達をエリート層と位置づけたが、大正時代などはその意識に見合う待遇を得ることがなく、人余りのため多数の万年大尉・少佐が40代頃に退役に追い込まれて路頭に迷い、残った者も功績争いが激しくなる。それが満州事変につながり、その後の急激な軍拡で退役時の地位が中佐・大佐まで見通せるようになり一挙解決となる。2021/07/31

つわぶき

2
(上巻に引き続いて)とは言え、軍人精神の涵養と出世欲は必ずしも矛盾しなかった(その軌道に乗ることがエリートコースを約束すると思われたからだ)ので、将校生徒は自発的に修養した。所が、第一次大戦以降、将校の給与は相対的に低下や軍縮に伴う昇進停滞(ポストが減ることによる)が予定調和を崩壊せしめる。これに対する不満は、内部においては陸大出身者(出身者は人事上の厚遇を受けた)への批判へ、外部においては政党政治や官僚批判へと繋がっていく。この状況が各種の独断専行(点数稼ぎ)や軍事的拡大傾向(昇進可能性の拡大)へ影響→2021/10/25

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