出版社内容情報
西欧でどのように動物や植物の観察が生まれ、生物学の基礎となったか。分類体系の変遷、啓蒙主義との親和性等、近代自然誌を辿る名著。解説 塚谷裕一
内容説明
どのようにして動物や植物は観察されるようになり、そこから動物学と植物学が生まれ、生物学の基礎となっていったのか。薬学の一環である本草学という出発点、試行錯誤を重ねて変遷していく生物分類体系、王立植物園をめぐる政治的かけひき、啓蒙主義と自然誌の親和性など。本書は、ルネサンスに始まり、フランス植物学の父ツルヌフォール、ビュフォン、リンネ、ルソー、ラマルクを経て、ド・カンドルにいたるまで、偉大なナチュラリストたちの情熱に満ちた生涯と業績を丁寧に追う。植物学を中心とした西洋自然誌の流れを描いた名著。
目次
ルネサンスの自然誌
パリ植物園の創立者ブロス
フランス植物学の父ツルヌフォール
『自然誌』の著者ビュフォン園長
植物学者のプリンス、リンネ
ジャン・ジャック・ルソーの植物学
ジュシューとアダンソンの自然分類
進化論の創設者ラマルク
キュヴィエとジョフロア・サン=チレールの論争
ド・カンドルとその後の自然誌
著者等紹介
木村陽二郎[キムラヨウジロウ]
1912‐2006年。山口市生まれ。東京帝国大学植物学科卒業。東京大学教授・中央大学教授などを歴任。専攻、生物学・生物学史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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やま
11
ナチュラリストとは自然史を追う人(あとがきより)らしい。植物、動物の分類については紀元前アリストテレスから始まり、本格的に分類が始まるのはどうも15世紀半ば以降。ダヴィンチ、ルソー、リンネ、ゲーテ!、ダーウィンに至るまでのいろいろな人の歴史が綴られている。◇ダーウィンの前にもラマルクが進化論を唱えていたとか、博物館や植物園では大学の先生がいて研究していたとか、細かな歴史を読むと分類学がどのように発展していたのか見えてくる。今ではDNAを使った新たな分類法が出てきている。それもまた進歩なのだろう。2022/06/01
Go Extreme
2
ルネサンスの自然誌:西欧の本草学 植物園の始まり ロンドレ ピエール・ブロン パリ植物園の創立者ブロス:パリの王立植物園 フランス植物学の父ツルヌフォール:植物採集 植物分類体系 近東への旅 自然誌の著者ビュフォン園長:文は人なり 植物学者のプリンス、リンネ:種の確立ジャン・ジャック・ルソーの植物学:ルソーとビュフォン ルソーとリンネ ジュシューとアダンソンの自然分類:アダンソンの自然分類 進化論の創設者ラマルク キュヴィエとジョフロア・サン=チレールの論争 ド・カンドルとその後の自然誌:減z内の分類体系2021/03/08
S
1
本書冒頭にもあるが、西洋(の知識人)の自然の「愛でかた」はなかなか徹底していると感じる。 そういう態度から、分類学やら進化論やらの理論に繋がっていくのだろう。物理やら化学やらも同じで、なかなか東洋人が生み出せる代物ではなかったのだと感じる。2023/05/02
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