ちくま学芸文庫<br> 大衆の国民化―ナチズムに至る政治シンボルと大衆文化

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ちくま学芸文庫
大衆の国民化―ナチズムに至る政治シンボルと大衆文化

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  • サイズ 文庫判/ページ数 464p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784480510297
  • NDC分類 234.05
  • Cコード C0131

出版社内容情報

ナチズムを国民主義の極致ととらえ、フランス革命以降の国民主義の展開を大衆的儀礼やシンボルから考察した、ファシズム研究の橋頭堡。解説 板橋拓己

内容説明

フランス革命からナチズムまで、一世紀半におよぶ発展を遂げた“新しい政治”。それは合理的討論よりも神話やシンボル、儀礼や祝祭への大衆参加によって駆動する、ドラマとしての民主政治であった。本書ではナチズムをこの“新しい政治”による国民主義の極致と位置づけ、ドイツでの国民主義の展開を大衆儀礼やシンボルの政治史として捉え直す。聖火、整列行進、国民的記念碑や建築等のシンボル発展の過程を辿り、体操家や合唱団や教会、さらには労働者組織までがナチズムの政治的祭祀に統合されていく様子を赤裸々に描き出す。ナチズムを大衆操作ではなく大衆の合意形成運動として捉え、ファシズム研究の新局面を拓いた名著。

目次

第1章 新しい政治
第2章 政治の美学
第3章 国民的記念碑
第4章 公的祝祭―源流と展開
第5章 公的祝祭―演劇と大衆運動
第6章 諸組織の参入
第7章 労働者の貢献
第8章 ヒトラーの美意識
第9章 政治的祭祀

著者等紹介

モッセ,ジョージ・L.[モッセ,ジョージL.] [Mosse,George L.]
1918‐99年。ベルリン生まれ。ウィスコンシン大学・ヘブライ大学名誉教授。専門はドイツ社会史。1933年ナチスの迫害を逃れて亡命。37年ケンブリッジ大学入学。39年にアメリカ移住後、ハーヴァード大学で博士号を取得

佐藤卓己[サトウタクミ]
1960年生まれ。京都大学大学院教育学研究科教授

佐藤八寿子[サトウヤスコ]
1959年生まれ。Kollegium Kyoto代表(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

HANA

62
政治のイベント化、ショー化というとナチスが第一に思い浮かべられるが、その動きはフランス革命から脈々と伝わったものであると論じた一冊。基本的にドイツがその舞台として捉えられており、国民的記念碑や演劇、そして体操や合唱、射撃にダンスの組織といったものが、いかに政治に絡めとられその象徴的なものになっていったのかが詳しく書かれている。名著『聖別された肉体』だとオカルト人種論がナチス以前から伏流水の如く続いておりそれが噴出したものと論じられているが、本書はそれの政治シンボル版のよう。具体的な例も多くわかりやすし。2021/05/05

ベイス

47
なぜナチズムの熱狂は生まれたのか。この著書は、政治や経済や国際関係ではなく、建築、祭礼、美術といった側面から検討を重ねる。ヒトラーが政権をとる何十年も前から、祖国の誇らしさ、優位性を「刷り込んでいく」様々な仕掛けがあったことが分かる。整然としていること、美しいこと、禁欲的なこと・・・こうした美徳が重視され、それはギリシャローマ時代から特権的にゲルマン民族に受け継がれてきたと錯覚させる。耳触りのいい理屈のもと、知らず知らず多くの大衆が偏狭な愛国者と化していったこの歴史から、わたしたちは学ばなくてはならない。2021/05/22

ラウリスタ~

16
ユダヤ系ドイツ人モッセは亡命、戦後アメリカで活躍。ナチスの「文化」(いかに国民的高揚をもたらすか、劇場、建築、行進など)研究を進める。本書では、ナチスをドイツ独自の問題から、汎ヨーロッパ的な、そしてルソーの「一般意志」にまで遡る民主主義に内在的な、ある意味ではその極地として提示する。一般意志による自己崇拝、その実践。ヒトラーが、ゲルマン的衣装趣味を笑っていた、など、そのナチス文化全てをヒトラーの思想の反映とすることはできない。ナチ文学は幼稚だが、民衆的人気あり、芸術批評は廃止され、民衆が判定者。現代性あり2021/03/16

politics

8
ナチズムを神話や儀礼、シンボルへの大衆参加型の「新しい政治」によるナショナリズムの最終形態と位置付けた記念碑的著作。分析の対象は国民的記念碑から体操、合唱、労働者運動と広範囲に及ぶ。類似の研究としてホブズボームらの「伝統の創造」があるが、訳者は言うようにこちらの方が興味深く感じる。ナショナリズムの訳語の問題、ファシズム(ナチズム)とナショナリズムの関係等は更なる検討が必要だと思うものの、各方面に影響を与える「現代の古典」であることは間違いないだろう。2021/02/10

積読0415

3
読み終えて感慨深いのは350頁近い本書でお目当て(?)のナチスについての話が本格的に始まるのが、300頁を過ぎたあたりからということ。つまり大半はナチス以前の人々についての話で、むしろその時代の積み重ねが「ナチス的全体主義」の基礎になっていることが興味深い。アーリア至上、ユダヤ排斥という考え方を潜在的に人々が持っていた時代であることを踏まえれば、登場する人々は当時として目立って悪い人々というわけではない。むしろクリエイターとして、イベンターとして、ある種の才能に溢れた人々の話が続く。2022/07/31

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