出版社内容情報
打越正行『ヤンキーと地元』とともに沖縄の語り方を変えた、比類ない調査の記録。1万字超の文庫書きおろしをくわえた決定版。
【目次】
内容説明
沖縄に戻った著者は、風俗業界で働く女性たちの調査をはじめる。ひとり暴力から逃げて、自分の居場所をつくっていく―彼女たちの語った話は著者の手で書き起こされ、目の前で読み上げられ、自己の物語として了解されていく。沖縄の話であり世界の話でもある、比類ない調査の記録である。文庫書きおろし「十年後」をくわえた決定版。
目次
キャバ嬢になること
記念写真
カバンにドレスをつめこんで
病院の待合室で
あたらしい柔軟剤 あたらしい家族
さがさないよ さようなら
調査記録
著者等紹介
上間陽子[ウエマヨウコ]
1972年、沖縄県コザ市生まれ。琉球大学教育学研究科教授。1990年代から2014年にかけて東京で、以降は沖縄で未成年の少女たちの支援・調査に携わる。2017年、デビュー作となる『裸足で逃げる 沖縄の夜の街の少女たち』(太田出版)を刊行。2020年に刊行した『海をあげる』(筑摩書房)は数々の賞を受賞し、大きな反響を呼んだ。現在は、「特定妊婦」となった女性たちの出産前後を支える施設「おにわ」の代表をつとめる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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buuupuuu
27
著者は、女性たちの具体的な苦境や感情や個々の美徳に留まって、性急に社会問題へと回収して語ったりはしない。そこが素晴らしいと思った。なぜなら具体的な生の問題が、マクロな視点から眺められるとき、しばしば複雑なものが単純化されたり、困難な選択を一方的に裁いたりするということが起こるからだ。もちろん、問題を社会化していくことは必要なことだが、その前に一度立ち止まって、声を聞くことが重要なのだ。そうすることで、私たちはそこに誰がいるのかを知ることになるし、当人たちも改めて自分のことを理解するのだと思う。2026/02/06
ゆうすけ
14
昨日読み納めの投稿をしたばかりなのですが、帰省の新幹線で時間があったのでもう一冊読み終えました。かなりベビーな作品でして、正直大晦日にはどうかと思いますが、日本の現実の一つとしてしっかりココロに留めておく。ハードカバーで出たときから気になっていて、文庫化されたので手に取りました。気軽に読める内容じゃないけど、多くの人知ってほしいこの現実。ホントにクソ男がやまのように出てきて、頭がくらくらします。2025/12/31
二人娘の父
11
文庫 #裸足で逃げる 読みました。文庫版のみの「十年後」が入っています。上間陽子さんの本に何度泣かされるのか。今度も読後、涙が溢れて止められませんでした。「なぜ泣くのか」が自分でもよく分からない涙。かわいそうとか、憐れみとか、そんなものではありません。文庫版を読んで気づいたこと。打越正行さんの存在の大きさ物理的に精神的に、上間さんの行動を支えていたんですね単行本で「打越さん」になっている箇所が文庫では「打越くん」になってますか?上間さんがこの直しを入れた思いを考えると、なんだかとても胸に迫るものが。2025/12/14
フクロウ
5
本当につらかった。工藤将亮監督が『遠いところ』で描いていた話であり、知っていた…はずではあるが。沖縄の若年女性の置かれた経済的貧困、16〜19歳での若年出産、性風俗での勤務、DVやレイプ…逃げ帰る先の実家でも親の離婚と貧困はもはやデフォルト、果ては虐待、無関心…。積み上がった現実を克明に記していく上間陽子氏。文庫版の10年後編で、上間氏が銘苅桂子氏に働きかけ、若年女性のシェルター「おにわ」を作り、運営されていることが書かれている。調査だけでよいところを支援にまで舵を切った、その召命に感服する。2026/03/06
バーニング
5
少し前に読んだ木村映里『医療の外れで』が書こうとしたことと近いものを感じた一冊だった。特に障害児を一人で育てる鈴乃のエピソードや、医師に冷たく扱われる一方で宥和的な看護師と出会うこともできた亜矢のエピソードは、木村映里が同書で繰り返し書いていた医療現場における差別やジレンマの話と照らし合わせて読むことで、支援を必要としている側と、実際に支援に携わる側の両方の立場に立つことができると思う。もちろんそれが全てではないけれど。2025/12/23




