出版社内容情報
けむりにたゆたうひと時だった愛おしい――もはや絶滅寸前といわれる煙草飲みたちが、煙草への想いやあこがれ、禁煙の試みなどを綴ったユーモアとペーソスあふれるアンソロジー。「僕は体の健康よりも魂の健康や」「私は幼稚園に上がる前から煙草を吸ってゐる」などの名言も飛び出す、プカプカたのしい一服エッセイ。
内容説明
けむりにたゆたうひと時だって愛おしい―もはや絶滅寸前といわれる煙草飲みたちが、煙草への想いやあこがれ、禁煙の試みなどを綴ったユーモアとペーソスあふれるアンソロジー。「僕は体の健康よりも魂の健康や」「私は幼稚園に上がる前から煙草を吸ってゐる」などの名言も飛び出す、プカプカたのしい一服エッセイ。
目次
1(たばこすふ煙の垂るる夜長かな(芥川龍之介)
人生は煙とともに(開高健)
喫煙者の受難(中島らも) ほか)
2(煙草の害について(谷川俊太郎)
嫌煙(なぎら健壱)
けむたい話(山田風太郎) ほか)
3(タバコをやめる方法(安部公房)
禁煙の快楽(島田雅彦)
非喫煙ビギナーの弁(東海林さだお) ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
阿部義彦
22
ちくま今月の新刊。発売後4日めで早くも読了。私も禁煙してからはや、十五年位か。同じ歳くらいでも、未だに煙草を吸ってる方をみるにつけ、場所を探すのにかける情熱と時間、世間の目、色んな事に気配りする配慮にがんじ絡めで、ご苦労様と思う事しきり。スパッと辞めれば、そんな選択肢も消滅するし、イライラの元も無くなるのだがなー。とか思っても皆んな、やめるにやめられないダブル・バインドに陥ってるのでしょうか。 昭和の男なら吸ってて当然と言う時代から遥かに隔たりましたが、堪能した。『俺のあんこは煙草が好きでー♪』プカプカ2025/05/14
Porco
16
作家はもとよりタレント,漫画家,俳優による様々なタバコエッセイ。ヒコロヒーと同じく平成生まれの煙草飲みの自分には羨ましい限りのおおらかな時代の話や、タバコと切っては切り離せぬ禁煙の苦しみなど色々。「空白を解消するため」はちょっと問われた際に吸う言い訳として使いたいくらい気に入ったので、何故吸うのかと聞かれたらこれを言いたいと思う。紙巻きだけでなくパイプも取り上げてくれたのが同好の士として嬉しかった。2025/06/30
カリスマ
9
煙草にまつわるアンソロジー。喫煙者の肩身が狭くなっている世の中(00世代である私からしたら、物心ついてからずっと肩身は狭いが)、喫煙者達が各々が煙草に対して思うこと、煙草を通じた経験などを語る。煙草を少々嗜む身からすると共感する場面も多々あり、自らが日常で経験していることを改めて言語として感じることができた。昔の作家のエッセイでは今の時代ではほぼ目にすることのない煙管とパイプに関する記述が多なったのも面白かった。自他共に有害であることは間違いないが、それらに排他的な世界は楽しいのだろうかと考えさせられた。2025/07/09
24歳男性
5
レトロな装丁で昔の本かなと手にとってみるとヒコロヒーなんて近代的な名前が書いてあり、目次を開いて煙草にまつわるエッセイのまとめだとわかった途端「これこれ!」とレジに走っていた。面白かったのが煙草を吸う行為が体に悪いと全員がわかっていること。わかっているが、ある人は「私には煙草を吹かす空白が必要だ」とかある人は「会話の手持ち無沙汰を解消するためだ」など言う。弁解を読んでいる感じがする。別の方法で解消すればいいのにと思いながら、吸わない私もコンビニ前でぼーっとしている抜け殻のような喫煙者を羨ましく思ったり、、2025/06/09
analjustice
4
この並びにヒコロヒー違和感なく面白い2025/06/09
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