出版社内容情報
どんぐりが梢から落ちてくる。どんぐりは生きようとしている。けれど、ほとんどは死んでいく。誰かの命は誰かの糧になっている。森はそのようにできている。たてのひろしが季節を越えてめぐる生命の気配を描く。
内容説明
森に風が吹く、森に音がする、森がうごめく、死んでいく、生きていく。舘野鴻の描く植物。
著者等紹介
たてのひろし[タテノヒロシ]
舘野鴻。1968年、神奈川県生まれ。幼少時より熊田千佳慕氏に師事。中高生のときは生物部所属。札幌学院大学在学中に演劇、舞踏、音楽と出会う。土木作業員や生物調査のアルバイトの傍ら、現代美術の創作や音楽活動を行う。その後、図鑑の標本画や解剖図、景観図などのリアルイラストを描く仕事に従事し、2005年より絵本創作を始める。絵本に『しでむし』『ぎふちょう』『つちはんみょう』(小学館児童出版文化賞受賞)(以上、偕成社)など、博物学的な目線による徹底した観察をもとに描かれる繊細かつダイナミックな作品で知られる。文章を手がけるた絵本に「3びきのあまがえる」シリーズ3部作(かわしまはるこ・絵)、『ねことことり』(なかの真実・絵/日本絵本賞受賞)(以上、世界文化社)など。生物画や本の装画も多く手がける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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旅するランナー
170
絵本作家のタブロー展/くさはらのむこうは@セイコーハウス銀座にて。 第29回(2024年)日本絵本賞受賞作。 原画を観てから読むと、その繊細さがよく理解できます。 言葉は無くても、精緻な絵が多くを語ります。2025/05/01
榊原 香織
102
ものすごーく写実的な絵本 文字なし2025/03/10
seacalf
65
他にはお目にかからない独特な空気感が漂う静謐な世界。おや?どこか馴染みがあると思って表紙を見返すと、なるほど。作者はたてのひろしさんだったのね。どこまでも細かく美しい画にファンタスティックな印象が強く感じるが、鳥や虫達のリアルさにたてのさんの真骨頂が発揮されている。身近などんぐりなので子供目線のほんわかした内容を想像していたが、良い意味で期待が裏切られてどっぷりたてのさんが描く世界に浸れた。2023/11/30
MI
51
だてさんの絵本は文字がなく、情景だけ。どんぐりの実が実を出し、また芽吹く。モノクロの絵がとてもよかった2025/10/13
たまきら
50
たてのさんの作品に徐々に色がついてきました。ルシアン・フロイドも長いこと白黒だったんだよなあ…。静かなのに能弁な、大好きな世界観です。2023/10/10