出版社内容情報
かつて存在した痕跡から、時間を飛び越え川のある風景が蘇る。街歩きが楽しくなる本。東京近郊を中心に、札幌から那覇、台北まで。解説 松原隆一郎
内容説明
かつてあった川、暗渠の存在を知るとまち歩きが一気に楽しくなる。著者は、歴史を掘り下げ情緒豊かに描き上げる吉村生と、調査データを元に俯瞰的に暗渠に迫る〓山英男、二者が織りなす暗渠偏愛本。東京(杉並、巣鴨、荒川等)をはじめ近郊三県、札幌から那覇、台北まで。文庫化にあたり、下北沢、横浜、豊橋(暗渠上ビル)、堺(古墳)の暗渠40頁分を書し下ろした。
目次
序章 ようこそ暗渠ロジーへ―暗渠を知ると、路地歩きがもっと愉しくなる
第1章 暗渠、私の「見方」
第2章 名所と暗渠
第3章 境界と暗渠
第4章 湧水と暗渠
第5章 暗渠への視線
第6章 東京近郊一都三県、暗渠勝負!
第7章 新たな観光資源としての暗渠探訪
著者等紹介
吉村生[ヨシムラナマ]
本業の傍ら、暗渠探索に勤しみ、暗渠ツアーガイドや講演なども行う。郷土史を中心とした細かい情報を積み重ね、じっくりと掘り下げていく手法で暗渠へのアプローチを続けている
〓山英男[タカヤマヒデオ]
中級暗渠ハンター(自称)。ある日「自分の心の中の暗渠」に気づいて以来、暗渠に夢中に。俯瞰と理論化を繰り返すという手法で、暗渠という存在を広く捉えている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Tomomi Yazaki
20
うわー!なんかわからないけど、絶対ハマる予感!すごく楽しみー!一般的には理解されにくいけど、僅かな違和感や微かな不自然さを感じて新たな暗渠を見つける。その興奮と感動は誰とも分かち合えない。そんな暗渠を愛でたく、手にしたのが本書です。暗渠の大家(?)、高山氏と吉村氏。この両巨頭がそれぞれが見つけた暗渠を紹介、解説する。それによると、悲しいことに多くの暗渠が排水のインフラと化している。でもありがとう、暗渠よ。そして暗渠を探すコツは、見立てとイマジネーション。意外なヒントは車止め。う~ん、まさに暗渠マニアック!2024/09/10
chuji
3
久喜市立中央図書館の本。2024年5月初版。2015年7月に柏書房から刊行された単行本『暗渠マニアック』に増補したもの。吉村さん&髙山さんの著作は『暗渠パラダイス!』に続き二作目の読了です。相変わらずマニアックでオタッキーな書物です。2024/07/01
bittersweet symphony
2
閾値を下げていくと語るに値しない夥しい物量の暗渠が立ち現れる訳ですが、その事実への対処の仕方が、計数分類となるか情緒的に処理するかの違いが共著者二人にありますね。2024/06/19
amanatsu
1
読後は、街の風景がこれまでとは違って見えるようになる一冊。2024/08/08