出版社内容情報
映画館、喫茶店、地下街の噴水広場、島、空港……様々な場所の人間と時間の不思議を描き話題となった新感覚の物語集。一篇を増補。解説 深緑野分
内容説明
学校、家、映画館、喫茶店、地下街の噴水広場、島、空港…さまざまな場所で、人と人は人生のひとコマを共有し、別れ、別々の時間を生きる。屋上にある部屋ばかり探して住む男、戦争が起こり逃げて来た女と迎えた女、周囲の開発がつづいても残り続ける「未来軒」というラーメン屋…この星にあった、誰も知らない34の物語。1篇を増補し、待望の文庫化。
著者等紹介
柴崎友香[シバサキトモカ]
1973年大阪生まれ。2000年に初の単行本『きょうのできごと』を上梓(03年に映画化)。07年に『その街の今は』で芸術選奨文部科学大臣新人賞、織田作之助賞大賞、咲くやこの花賞、10年に『寝ても覚めても』で野間文芸新人賞(18年に映画化)、14年に『春の庭』で芥川賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 1件/全1件
- 評価
-
購入履歴本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
さてさて
163
“時間が経つ話が書きたいんですけど”。そんな思いの先に、永遠でも千年でもなく、『100年』という時間を書名に冠したとおっしゃる柴崎友香さん。そんな柴崎さんが記された34もの掌編をまとめたこの作品には、”時間が経つ話”への柴崎さんの拘りを見る物語が描かれていました。長い掌編タイトルがそのまんまあらすじになっているこの作品。バラエティに富んだ内容に最後まで飽きずに読めるこの作品。まとめて読むのではなく、34の物語を何日にも分けてゆっくりと読み進めるのが吉と感じた、柴崎さんの魅力に触れることのできる逸品でした。2025/07/03
tonpie
62
近代的な物語(=小説)の約束を意識的に逸脱し、踏み越えてゆく作品群。ほとんどがショートショートのような短い話なのだが、小説の時間の常識=「主人公の人生の一部を切り取ることで成り立つ」という常識を超えてゆくアイデア。「ほら、こんなのもあるよ」と示してくれる、見事なバリエーション。↓2025/11/02
エドワード
61
私が京都の今の家に住み始めて31年。周囲は随分変わった。住人も変わり、建物も変わる。そうした変化は人の記憶の中に堆積する。柴崎友香さんの作品の永遠のテーマだ。街角の土地。海辺の土地。たばこ屋、カフェ、映画館、アパート、銭湯、駅。人は生きるために建物を建て、リニューアルし、再開発し、風景は変わっていく。河原町へ行くたびに変わる街並みに栄枯盛衰を感じる。周りが様々に変化する間に、ずっと営業する未来軒。「バートンの『ちいさいおうち』だな。」と感じたら、解説の深緑野分さんも書いていた。そんな小さな物語の花束だ。2024/04/12
niisun
58
意識して選んでいる訳ではないのですが、柴崎さんの作品は意外と読んでいます。『きょうのできごと』『寝ても覚めても』『虹色と幸運』『わたしがいなかった街で』『きょうのできごと、十年後』『よう知らんけど日記』。この作品は“はじめに聞いた話”と題する連載をまとめたもので、百年近い時の流れとそのうちの数日をフォーカスするような昔話集。“昔々あるところに、兄と弟がいました“というように、どこかの誰かの物語。土地と人の時間軸の違いが生み出す物語。なんでもない1日を延々と語った『きょうのできごと』と対比しても面白い。2024/06/12
はっせー
53
本書は誰も知らない、誰かの物語というテーマで書かれたもの!本書は「淡さ」がポイントになっている。話の細部が感じにくいときがある。話を抽象化し、濃淡で言えばどんどん話を淡くさせることによって他人の話がなぜか自分事に感じられるのかなと。タイトルである『百年と一日』について私なりの考えをまとめた。・百年は、私たちの人生を意味する。人生においてなぜか印象に残っている出来事を短編にしているのかなと。・一日は、印象に残っている出来事にも関わらず、細部が感じにくい。なんでもない一日だから細部まで描いていないのかなと。2026/03/04
-
- 和書
- ドイツ基本権裁判の展開




