出版社内容情報
青春の傷、憧憬と恋、イメージの航海――寺山修司だけに描ける切なく鮮烈な無限の「青」。没後四十年・今なお輝く世界を映す詩と物語。解説 幾原邦彦
世界の涯までご一緒に。
無限に廻る、青く切ない詩と物語
解説 幾原邦彦(アニメーション監督)
生きてゆく限りは誰もが通らざるを得なかった青い時代。刻まれたキズ、恋と憧憬、イメージの航海、夢幻のように甘やかな毒、残酷なほどにかがやく世界──いまなお愛される唯一無二のクリエイター・寺山修司は、自由自在、縦横無尽に言葉を操り、ありとあらゆる衝撃のかたちをこの世に放った。決して見果てぬ少年少女の鮮烈な青を壜詰にした、詩とエッセイと物語。
解説 幾原邦彦
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ハルト
11
読了:◎ 青に染まる青春。寂しいときに、身に沁みこんでくるような物語たち。少年と少女は、澄んだ空の青に飲みこまれそうになりながら、物語を漂う。幾つになっても寺山修司はいいなと思わせられる。青春と郷愁、清純で隠微さが同時に入り混じっていて、手のひらの中に、星のような思慕の輝きを落としていく。世界は広大で狭く残酷で、呪縛のような祝福を与える。愛への反逆が波のように押し寄せてくる。ひそやかな毒のあるような清廉さが心惹きつける。それは青春時代に、大人の世界が持つ毒に慣れるための毒見のようなものなのかも知れない。2023/12/31
真琴
10
★★★★☆ 青春って、甘酸っぱくって、切なくって、恥ずかしくって、ちょっと滑稽。寺山修司の言葉に「少年・少女」時代に出会っていたら、感性の豊かな人間になれていたと思う。今の若い方にも寺山さんの作品を読んで欲しいな。 ちょうど今、香取慎吾主演で「テラヤマ・キャバレー」が上演されることを知り、興奮しています。 美輪明宏さん主演の「毛皮のマリー」が寺山作品との出会いです。再演、しないかな・・・。2023/10/29
咲
5
「さみしいときは 青 という字を書いていると落着くのです 青青青青青青青青青 青青青青青青青青青」寺山修司の詩は、1個1個書き写すのが楽しい。「青」を、書いて書いて書いていく。わたしの「さみしい」は、いったいいくつの「青」で満たされるのかしらって、探る。この人は、自分のさみしさと折り合いをつけるのに、「青」を、「さよなら」を、「海」を、「少女」を、「詩」を、「世界」を、必要としたんだねって、なんだか、とっても、わかってくる気がする。寺山修司の本を蒐集してしまう癖がある。解説が幾原邦彦なら、なおさらに。2023/11/19
はるぴ@ありがたきハピネス
4
タイトルに惹かれて書店で手に取った。没後40年ということで、新刊が出たらしい。すばらしかった!角川から出ている「少女詩集」が好きで読んでいたけど、こちらもいい。詩もいいけど、掌編がまた刺さる。ロマンチックでかわいらしい。かわいらしいのに、毒がある。初恋みたいにきゅんとしてメルヘンチックでメランコリック。なんだろう、写真で見ると寺山修司さんはおじさんに見えるのに、こんな潔癖な少女性をひそませているなんて……。巻末を見ると、掌編は「メルヘン全集」から採っているようで、もっと読みたいな、えー、絶版ですか……。2023/12/15
kakari
4
寺山修司記念館へ行くので読んだ 「小指がいないとさみしいものだ 役に立たないものは 愛するほかはないものだから」 2023/11/04
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