出版社内容情報
4人の実の幼い娘たちに語りかける形で書いた著者の代表作。常識を疑い、自分の頭で考え抜くことを旨とする、寄り道多数の授業を展開する。
内容説明
10歳から下4人の幼い娘たちを相手に、世界を学校に見立て、「音楽」「文学」「政治」「人類学」「哲学」などを題材に、ユニークで独創的な授業を展開する。常識を疑い、自分の頭で考えてたたかえば、善悪や道徳は変えていけると伝える。呪いの言葉に縛られず自分らしく生きることを尊ぶすべての人へ、1969年刊行のベストセラー待望の復刊。
目次
校長訓示
調子はずれ音楽教室
指導にならないといわれそうな読書教室
作家になることを思いとどまらすための文学教室
若者と年寄りのための政治教室
憂いを増させるための人生論教室
穴居人的心情を求めての人類学教室
ヒューマニズムと非条理を論ずる反哲学教室
ニキビと落書きについて語る学園スト論教室
観念的な性教育教室
ノーベル賞のことわり方を考える作家教室
健康を鼻にかけさせぬための狂気論教室
著者等紹介
なだいなだ[ナダイナダ]
1929‐2013年。東京生まれ。慶應義塾大学医学部卒業。精神科医、作家。フランス留学後、東京武蔵野病院などを経て、国立療養所久里浜病院のアルコール依存治療専門病棟に勤務。1965年、『パパのおくりもの』で作家デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Tomomi Yazaki
13
なだ先生が校長となり、4人の娘たちを父親の目線で愛を込めて教育する。本書は50年以上前に出版されてますから、娘と言っても、還暦を迎えているかもしれませんが。まずは校長の髭について。男女平等と言えど髭だけは男のもの。それを上手く使うか、それとも無精とするかは本人次第。そして読書。本の価値は読み手によって変わり、読み手もまた、本に左右される。つまり文学とは迷路である。お!深い言葉。そして気づきました。全ての文章が断定で終わっている。たとえそれが間違っていても、それが教師であり、父親の心構えであることに。2023/12/12
9分9厘
5
父であるなだいなだ氏が自ら校長となり、四人の愛娘のための授業風エッセイ。ときにユーモアを交えた授業は愛情がにじみ出ており、頬が緩んでしまう。50年以上昔のベストセラーらしいが、現代においても古さを感じない。2024/01/28
飼い猫の名はサチコ
3
精神科医で作家の著者が、10歳から下の4姉妹の子供たちに「校長」として語るていで著した味わい深いメッセージ。50年以上前に書かれた文章だが、鮮度が落ちていない。若者に限らず、未だ自分育て中の大人や子供を持つ親に響く本。禍福は、人生をなすメロディーの一音一音。あとから振り返ると曲を成す。個々を受け止めすぎたり、過度に意味づけしないように、というアドバイスに得心。なだいなだという名前は知っていても、本は初めて読んだ。2023/11/29
うめこ
2
でてくる作家や社会情勢などは古いけれど、言っていることは普遍的だ。1960年代に書かれたとは思えない。わたしはもう三十路で、娘というには歳をとりすぎているけど、この校長先生から教えてもらったことを胸に、常識をうたがい、自分の頭で考えてたたかおう。2024/11/17
ご〜ちゃん
0
「お前たちにのぞむのは、真理を知ることではなくて、ウソでもいいから、それを確かめてみることの方だ。そもそも、ただ一回の成功で、いったい何を確かめることが出来るだろう」という、校長先生であるなだ先生の言葉が深い。2024/03/10
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