内容説明
人生という長い旅路を行く大人たちへの祝福に満ちたエッセイ。EU離脱投票が原因で喧嘩になった妻への仲直りタトゥーが思わぬ意味になっていたおっさんや、緊縮財政にも負けないおっさんの話など、笑って泣ける21編。第2章では世代・階級等について解説。『ぼくはイエロー~』と本書は同じコインの両面だと著者が記す必読書。単行本10万部突破!
目次
第1章 This Is England 2018~2019(刺青と平和;木枯らしに抱かれて;ブライトンの夢―Fairytale of Brighton;二〇一八年のワーキング・クラス・ヒーロー;ワン・ステップ・ビヨンド ほか)
第2章 解説編 現代英国の世代、階級、そしてやっぱり酒事情(英国の世代にはどんなものがあるのか;英国の階級はいまどういうことになっているのか;最後はだいじなだいじな酒の話)
著者等紹介
ブレイディみかこ[ブレイディミカコ]
ライター、コラムニスト。1965年福岡市生まれ。音楽好きが高じて渡英、96年からブライトン在住(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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葵
21
苦労が足りん!おとといきやがれ!そう言われたような気持ちです。おっさん、、渋いぜ、、これブレイディみかこさんの目を通しているから、草臥れた干物みたいなおっさんが味しかない愛おしいおっさんに昇華されているんだろうな。しかしブレグジットって、こんなに深刻な問題だったんですね。自国の変態のためにパートナーや友人と対立したりタトゥー入れたり離婚したり、結構マッチョに戦ってる。一般的な話だと、物流が混乱したり移民減からの税収減も聞く。日本も一億総中流って時代じゃなくなってるよな・・・うっすら不安な気持ちになった。2023/09/11
九曜紋
13
著者の代表作「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」の「おっさん版」。ここ日本と同様、英国でも中高年、特に男性は社会のお荷物とみなされつつある。大英帝国の栄光は遥か昔、特に労働者階級が置かれた状況は厳しい。緊縮財政がもたらした社会的困窮とBrexitを巡って顕著になった世代間の分裂と対立。若い頃にさんざんいい想いをした(と若年層からは思われている)中高年層と、最初から繁栄の恩恵に与ったことのない若者たち。しかし著者の視線はそんなおっさんたちにもとても温かい。人間存在に対する愛こそが著者の真髄だろう。2023/08/16
Ryuya Matsumoto
11
『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』のブレイディみかこさん。相変わらず楽しく読みやすい文章。おっさん達のお話ということで、『ぼくはイエローで〜』のような瑞々しさはないけれど、こちらの方が年齢的に近い分、身に染みながら読みました。おっさんだって、みんなみんな生きているんだ、友だちなんだ。2024/02/10
miu
7
外国のことを知るのは面白い。わたしは本当に無知だから、いちいち驚くことばかり。「世界に目をやり、その問題を見てみれば、それはたいてい年老いた男性」おっさんの老害おそるべし。日本を見ても、、、なんだかその通り。それでも愛すべきおっさんたちもいて、ウザくも可愛く一生懸命生きている。それにしてもNHSのシステムにはびっくり。イギリスにいたら病院行くのも一苦労なのね。2023/09/30
ランフランコ
6
イギリスも日本も世代間の闘争のようなものは似たようなもんだとは思うが政治への関心度が全然違うな。そこが日本のダメなとこだ。だから日本はアホな政治家がはびこる。国民皆保険を巡る世代間の争いとデマがイギリスのEU離脱の一因とは...2023/11/24
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