出版社内容情報
東京の雑居ビルにあった「ミール・ロシア語研究所」で、一人の高校生が全身でロシア語学習に取り組み、人気語学教師になるまでの青春記。解説 貝澤哉
内容説明
東京・代々木の雑居ビルにあった「ミール・ロシア語研究所」。高校生だった著者は、その門をたたき、全力でロシア語学習に取り組む日々が始まった。ひたすらにロシア語を聴き、発音し、暗唱する。その方法で成長した著者は、やがて語学教師になる道へと進む―。2013年に閉校した伝説のロシア語学校での日々を描き、ことばを学ぶこと、教えることを熱く語る青春記。
目次
プロローグ 東京の真ん中にロシアがあった
第1部 生徒として(ヘンな高校生の「入門」;笑えない笑い話との格闘;一生のバイブルとの出合い ほか)
第2部 教師として(M物産へ出張講師;22の不幸を笑わない;再びヘンな高校生の登場 ほか)
第3部 再び教師として(突然の閉校;最後の講師として)
エピローグ 他のやり方は知らない
著者等紹介
黒田龍之助[クロダリュウノスケ]
1964年東京生まれ。上智大学外国語学部ロシア語学科卒業、東京大学大学院修了。東京工業大学助教授(ロシア語)、明治大学助教授(英語)を歴任。現在、神田外語大学特任教授、神戸市外国語大学客員教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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yomineko@ヴィタリにゃん
73
貝澤哉さんの解説も非常に良かった。語学に生やさしさなど無用!ミールの様にビシバシやってくれると本気の生徒は上達する。すぐに話せるという類の本は大ウソ。暗唱の重要性も訴えておられる。基本中の基本ですね!厳しい訓練と練習を経ないと身に付かない。本当にそう思う!!!黒田先生と貝澤先生のロシア語講座見たかった😢😢😢素晴らしい本でした。ありがとうございました✨✨✨2023/09/28
榊原 香織
69
再読、だけど、以前よりずっと面白く読む(多分、改訂版書下ろし部分が) 伝説のロシア語学校、ミールの青春。 以前から著者の大ファンなのだけど、若い時の写真が出てて、これは授業人気でるわ(カワイイ)2023/07/27
新田新一
45
著者の青春の記です。ひたむきにロシア語に打ち込む姿が描かれており、胸が熱くなりました。題の「だけ」と言うのは、青春の全てをロシア語にぶつけたということです。通っていた学校の「ミール・ロシア語研究所」の雰囲気が生き生きと伝わり、語学の勉強の要諦が分かるようになります。発音と暗唱の大切さは、どの言葉を学ぶときにも当てはまると思いました。それから努力することの大切さです。私は英語が専門で、若い時は一生懸命に勉強しました。この本を読んで、あの頃の初心が蘇ってきたのが有難かったです。2025/04/18
kei
29
言語学者(NHKの「ロシア語会話」の講師(2001、2002年度))の著者が「ミール・ロシア語研究所」でロシア語学習に励んだ日々が綴られている。やっぱり語学は努力と根性なんだなぁと痛切に感じました。近道なんてないんですよね(溜息)余談ですが、現在NHKのロシア語講座はラジオだけだそうです。こういう需要を考慮するとラジオってなくならなさそうですね。2023/08/05
H2A
14
代々木駅東口に存在したミール・ロシア語研究所に通い詰めた著者自身の回想記。不器用でひたすらにロシア語に打ち込んだ様子がわかって面白い本。語学は体を使って(発音して)覚え、ひたすたに暗唱することが大事というのはよくわかる。私も一時期フランス語漬けになって途中で離脱した方なのだが、言語を学ぶことは文化を学ぶこと、それがたとえリーディング中心だとしても、である。苦痛を覚えながらやったことは自分の中の大事な部分にはなっている気がする、ということを感じながら興味深く読んでいた。2025/01/21