出版社内容情報
本と街を歩いて辿った作家の〈上京&東京〉物語。佐藤泰志、庄野潤三から松任谷由実まで。草野心平を増補収録。挿絵と巻末エッセイ・牧野伊三夫
内容説明
佐藤泰志、庄野潤三、開高健、草野心平、富岡多惠子、出久根達郎、司修、石田波郷、藤子不二雄A、松任谷由実、友部正人―小説家から音楽家まで、あの人の「上京&東京」物語。様々な理由で東京を目指し、そこで作品を残してきた作家たち。彼らの足跡を作品とともに著者自らの足で東京の街をめぐりながら“上京”という視点で読み解く岡崎流文学案内の第2弾。
目次
佐藤泰志 報われぬ東京
出久根達郎の月島
庄野潤三 石神井、そして生田
司修の赤羽モンマルトル
開高健を包み込まなかった東京
藤子不二雄A まんが道とトキワ荘
友部正人 一九七一年・阿佐ヶ谷・一本道
石田波郷 砂町・清瀬 見るべきものを見る俳人
富岡多惠子 一九六〇年新宿 明日をも知れぬ二人
松任谷由実 川を二本越えたら自分に戻る八王子
草野心平 人生いたるところ火の車あり
これが私の東京物語
著者等紹介
岡崎武志[オカザキタケシ]
1957年大阪府生まれ。上京34年目。立命館大学卒業後、高校の国語講師を経て上京。出版社勤務の後、フリーライターとなる。書評を中心に各紙誌に執筆。「文庫王」「均一小僧」「神保町ライター」などの異名でも知られる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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佐島楓
76
上京ののち東京に移住した、あるいはずっと東京で生活してきた数々の作家やミュージシャンのあゆみを描いたもの。さすが古本ハンター、その知識や調査力に基づいた文章はとても魅力的で、先人たちへのリスペクトにあふれている。わたしは東京以外の土地に住んだことがないことがコンプレックスだったのだが、この土地も懐が深いなと思わせてくれた。また、幾人か読みたい作家が増えてしまった。2023/01/31
fwhd8325
63
大学に入って、初めて地方から上京してきた方々と接したのですが、彼らを見ていて、私にはない、経験したことのないエネルギーのようなものを感じました。ここで紹介されている方々の中にも東京へ行けばという表現で、その力強さを感じます。それは、私が一生かけてもわからない感覚なのだと思うと、ある種の嫉妬のような感情が生まれます。2024/02/10
kawa
35
様々世代の作家やミュージシャンの上京物語。庄野潤三からユーミンまで、知る人、知らない人多士済々だが、自分の上京物語と重ね合わせながら楽しめる。ちょっと弟世代の著者や挿画を担当する牧野伊三夫氏の物語に親近感、これらがあって本書がしまる感じがグッド。取り上げられるフォーク・シンガー友部正人の「一歩道」は、我が青春のマイ・フェッバリット・ソング。2023/05/02
阿部義彦
28
ちくま文庫、少し前の新刊です。今現在古本屋を開くことにした古本ライターの岡崎武志さんの、芸術家の上京にテーマを絞った物語、第二弾にあたります。今は無い総合誌『en- taxi』に連載されたのに、今回新たに数章を付け加えての刊行です。第3弾も本の雑誌に連載を終了して現在単行本が出てます。私より4つ年上でロックにも詳しく兄貴の様な存在。今回では富岡多惠子の生涯が琴線に触れました。無名時代の池田満寿夫と知り合い、妻帯していたにも関わらず衝動的に同棲をする。手塚治虫のばるぼらの様な美の女神(ミューズ)の出現。2023/02/12
シンプルねこ(うみねこ)
11
小説家や音楽家の上京や東京での物語。それぞれが夢を抱いて東京での生活をどのように送っていたのかよく分かり面白い。それに、以前から気になっていた作家が登場して更に読みたくなった。(知らなかったけど、上京文学案内第2弾だったみたい)2024/06/17
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