出版社内容情報
戒めをゆるめる。隠れて生きる・・・老いていく日々を驚きつつも、愉しみを見つける「不良老人」の技。笑いの隠し味に人生哲学満載のエッセイ集。
内容説明
努力をするな、隠れて生きよ。笑いの隠し味に人生哲学満載のエッセイ集。
目次
序章 なぜ、年をとったら驚いたのか
第1章 春が来たのには驚いた!
第2章 この世の中には驚いた!
第3章 スーパー不良老人には驚いた!
第4章 愚図で眠くて驚いた!
著者等紹介
嵐山光三郎[アラシヤマコウザブロウ]
1942年、静岡県生まれ。『素人庖丁記』により講談社エッセイ賞受賞。『芭蕉の誘惑』によりJTB紀行文学大賞受賞。長年の薀蓄の末に到達した芭蕉像を描いた『悪党芭蕉』で、泉鏡花文学賞、読売文学賞をダブル受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Shoji
29
年を取って、人生経験を積んだ者にしか分からない境地というものがある。若い者には分からぬ感性だ。その境地が著者なりに綴られています。若い頃は不良だったようだが、年老いてなお不良のままだと言う。決して奢らず、自分自慢もないところがいい。共感しました。2023/12/19
Masakazu Fujino
5
嵐山光三郎、のんびりのエッセイ。脱力ぶりがいい。2023/02/15
オールド・ボリシェビク
4
「文人悪妻」が面白かったので、嵐山光三郎のエッセイを続けて読みたくなった。老いを巡るエッセイ集だが「文人悪妻」とだぶる記述もけっこうあって、まあ、こういうところが老いの発露なのだとも思う。暢気なエッセイでまあまあ、楽しめます。作中でも触れていたが、嵐山が平凡社を退社して作った出版社が出した雑誌「ドリブ」。創刊号のころは本当に面白かったことを思い出した。2023/01/12
きのこ
3
昭和軽薄体と言われた独特の文体とたくさんの内容を羅列していく文章が最初はとっつきにくかったが、読み進むほどに年輪を刻んだ著者のひと癖ふた癖ある多面的なものの見方に引き込まれていった。やはりただのオジサンではない。以前に書かれたものだけでなく最近のコロナ以降の文章も収録されている。2023/06/20
クリフトン
0
(ある同級生が母親に) 「わたしはあと二日で死ぬ」といったらしく「ぼけちゃったのかねえ」と不安そうにいった 別の同級生には「あと二 三日で死ぬ」といったらしい どうして そんなことがわかるのかね いつも「あと二日後に…」っていうんだよ 変ですよ 「秋の匂い」より ・ 二日あとのこと いつまでも二日あとのこと 何かとても深いものがそこに漂っているような 2023/09/25