出版社内容情報
〈書く〉ことは〈読む〉ことからしか生まれない。小説には収まりきらない世界がここにある。水村作品を紐解くエッセイ&評論集、待望の文庫化。
内容説明
小説をこよなく愛した少女は、10代でアメリカへ移住、異国の地で大学院に進み文学に勤しむことになる。その生活は、おのずとグローバル(=英語)な世界で“日本語”を外から見るという経験となり、のちの作家活動へ多大な影響をもたらすこととなった。本書は、文筆活動最初期の文章から漱石や谷崎に関する文学論他、著者だからこそ描くことのできる日本の文字文化に対するエッセイ&批評文集。
目次
1 日本語で書くことへの希望(この世紀末、文学に希望がもてるか;インドの「貧しさ」と日本の「豊かさ」;『新潮』百年を祝して ほか)
2 日本近代文学について(『浮雲』考;文学の歴史性を読む;漱石と「恋愛結婚の物語」 ほか)
3 アレゴリーとしての文学(読むことのアレゴリー;リナンシエイション(拒絶))
著者等紹介
水村美苗[ミズムラミナエ]
東京生まれ。12歳で渡米。イェール大学卒、仏文専攻。同大学院修了後、帰国。のち、プリンストン大学などで日本近代文学を教える。1990年『續明暗』を刊行し芸術選奨新人賞、95年に『私小説from left to right』で野間文芸新人賞、2002年『本格小説』で読売文学賞、08年『日本語が亡びるとき―英語の世紀の中で』で小林秀雄賞、12年『母の遺産―新聞小説』で大佛次郎賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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