出版社内容情報
あらゆる物を味わう珍グルメ大全。ヒトデ、土のスープ、サボテンから、甘口イチゴスパゲティまで。ワラスボ、パンカツ等8品を増補。解説 宮田珠己
内容説明
ラクダのこぶ、サソリ、ウマのたてがみから、土のスープ、樹液、みかんご飯、甘口イチゴスパ、そして紙、蚊の目玉のスープまで。伝統食品あり幻の珍グルメあり。「奇食とは、人間世界の謎を開ける鍵なのだ」という著者の、悶絶必至、味の大冒険。人間の業の深さを実感する珍グルメ全集。文庫化にあたり、パンカツ、トド、イソギンチャク、蘇など8品を増補。全56品。
目次
はじめに 奇食は美食なり
第1章 奇食への招待状
第2章 伝統の奇食
第3章 奇食界のニューウェーブ
第4章 めずらしい飲み物
第5章 不思議なデザート
第6章 幻の珍グルメ
第7章 文庫版増補
著者等紹介
杉岡幸徳[スギオカコウトク]
作家。兵庫県生まれ。東京外国語大学ドイツ語学科卒業。この世の奇妙なものと旅と幻想を愛し、執筆活動を続けている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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kinkin
100
世界の奇食について。以前発行されていた本の増補改訂版。当時紹介されていた飲食店が店じまいなどした旨なども追加。蛇や犬などは世界レベルで見れば驚くことは無いと思う。名古屋の喫茶店で出されている甘口いちごスパやミソカツ丼アイス、パイナップル茶漬けなどに反応した。世界一臭いというスウェーデンの缶詰に挑戦するあたりは発酵学の権威小泉武夫先生の向こうを張っているのかも。奇食といえば中学校のとき同級生にチョコレートラーメンやコーラごはんというのを食べる子がいたなあ。食文化は幅広くて奥の深い世界だと思った。 2021/04/18
有理数
19
カンガルー、鶏のトサカ、ザリガニ、カエルといった国の文化に根付いた伝統的なものから、ポンジュースで炊いたみかんご飯やパイナップル茶漬けといった、伝統と現代の感覚がミックスした新しいものまで、古今東西の「奇食」を食べ求めるエッセイ。すごい。本当にこんな食べ物があるのか、という驚きと、それが生まれるに至った過程や文化も含めて書かれており関心する。正直「これは過剰では」と思う解釈や考察がある気もするが、あらゆる奇食を食べる執念には圧倒される。同時に、食べ物=人間の営み、ということの意味がとてもよくわかる一冊。2021/05/07
ろここ
17
世界といいつつ、国内のものが多かった。旅先×珍しい食べ物、という組み合わせが好きなので、本書で紹介された奇食も結構経験済みだったな。メダカの佃煮って紹介されるような奇食だったのかと個人的には驚き。 それでも奇食の考察として世界の食文化の解説があって勉強になる。土を食べる文化は理解できない範疇だなぁ。あと蚊の目玉のスープの作り方!こわー。2022/03/31
niz001
10
文庫で買い直し、のはずだけど親本登録してないな。割とベタなものが多いけど幅広い、増補部分も多い。度々出てくる喫茶マウンテンw。「伝統的な奇食は信州に多いが、新しい奇食は名古屋周辺に多い」は名言ww。2021/04/13
asobi
8
「たべられる生き物」と随分被るなあと思ったけど、巻末の参考文献を見てナットク。チャレンジする姿勢はすばらしい。で、生き物じゃないのが、おかし類で、この「世界一まずい飴」。20年近く前、上司が旅行土産で買ってきたのがこれ。サルミアッキ。アルミサッシみたいな名前だけど見た目石炭、試しに口に入れたけど、その後の記憶がない。食べてないことはたしかだ。まずいというより、もっと穏やかなんだが食べちゃいけないものって感じがした。やさしいおじいちゃんのような上司で僕は好きだったが、周りの皆は無理して食べていたようだ。2021/07/07