出版社内容情報
女性資産家を会長とする奇談クラブを舞台に、ゲストの語り手がミステリ、ファンタジーなどの奇談を語るスタイルの連作小説。
野村 胡堂［ノムラ コドウ］
著・文・その他
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
keroppi
54
奇談を語り合うクラブで、五つのバラエティに富んだ奇談が語られる。宝探しや魔の笛、女の復讐、時代劇と、様々だが、それぞれに面白い。特に、「魔の笛」の音色に心惹かれた。登場する女性がみんな美人で魅力的なのも惹かれたなぁ。2018/10/20
geshi
26
時代小説的な言い回しはあれど、エンタメの書き方が分かり切ってるストーリー巧者の手に乗せられ、面白いがずっと続く中短編集。『紅唐紙』一冊の本を巡る因果。暗号ミステリーの弱点を突いたようなオチ。『魔の笛』笛を巡る愛と血のドロドロ。呪いのように血が重なり凄みが増す因縁。『湖心亭』不可思議、恋、復讐劇、盛り上げ所３つも用意してまとめ上げる巧さよ。『女性の秘密』読者にはバレバレだけどピンチと脱出の連続で読む手が止まらん。『鏨地獄』新規性に取りつかれた彫物師の話なんだけど物語内物語の構造で焦点が少しぼやけたかな。2024/12/06
ちくわん
19
2018年5月の本(1931年の再刊)。報知新聞に連載された野村胡堂の初期の作品。戦前「奇談クラブ」という語りサークルで語られた五話。銭形平次捕物控とも繋がっている。2021/06/11
みゆき
16
河出書房新社『レトロ図書館』シリーズの一冊。銭形平次捕物控傑作選を読んでから、著者の他作品を読みたくて購入。短編から長編まで五作品。奇談クラブの会員が繰り広げる幻想的な不思議話。ミステリーとファンタジーを融合させる絶妙な匙加減が素晴らしい。圧巻は全体の半分を占める「女性の秘密」。鶴の恩返しを思い出した。ファンタジーは苦手だけど、こういう話は好きだなぁ。高い筆力に圧倒されながら読了。この本と出会ったのは、新潟市の北書店。売れ筋の本は置かず、店主こだわりの本を並べる書店。読書中に閉店のニュースを知り残念。2022/08/16
カリン
8
銭形平次以外の作品ということで読み始めたが、どうにも時代さを感じすぎて私には無理だった。2018/08/15
