出版社内容情報
これからの暮しと仕事を、ただのサバイバルや我慢くらべでなく、文化を生み出すものにするには? 人と人、人と社会、人と自然の、関係性のデザイン考
内容説明
この世界は一人ひとりの仕事の累積で、仕事の質は個々の“働き方”によるところが大きい。その視点で書かれた『自分の仕事をつくる』の10年後、著者はこの本を書くことになる。土地も家族も生活空間も、メディアにおいても社会空間の個人化が進み、次第に分断されてゆく私たちの“生”を、その境界線を越えてつなぎ直してゆく、連続的なデザインとは?
目次
1 遠野
2 東京
写真 津田直
3 田瀬理夫さんのあり方、働き方
注釈と付記
地上をゆく船―あとがきにかえて
著者等紹介
西村佳哲[ニシムラヨシアキ]
1964年生まれ。リビングワールド代表。プランニング・ディレクター。京都工芸繊維大学非常勤講師。つくる/教える/書く、の三種類の仕事を手がける。「働き方研究家」(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
yomite
3
前回は図書館の単行本を借りて読んだが、文庫本が出たというので買って読んだ。私たちはこれまでの価値観を変える時期が来ていると、コロナ以前にも薄々気づいていたが、今回、明確になったと思う。田瀬さんの話のなかにヒントがある気がする。なにしろ、実践が伴った人の言葉には説得力がある。2020/07/01
あたぱ
2
岩手県遠野にて、森と川と馬と「ただ生きる」を実践する、田瀬氏の働き方、生き方をインタビューし、西村氏がその後調べたことを付け加えて再構成してできた本。 町内会の役員をやってから、町内会の役割やコミュニティのあり方について、モヤモヤしたり、考える機会が多かったので借りてみた。友人からホースセラピーのことを聞いていたので、「馬と暮らす生活」にも興味を持った。西村氏の本は初めて読んだが他の本もぜひ読みたくなった。今後は田瀬氏のような生き方・働き方に憧れ、実際にしていく人が多いだろう。私もまず体験してみたい。2020/09/13
まほ
0
ランドスケープや土地の利用から見た「ひとの居場所」。人が人らしく生きていくために、自分と他者がともに関われる場があること、そこに自然があること。それはシンプルだからこそ今の時代に作るのは難しい。根本的には色々仕組みから変えないといけないところもあるけれど、まず近いところで確かな実践を重ねていくことの意義も、田瀬さん自身の取組みから実感した。2022/09/08
もい
0
表紙に惹かれて図書館で借りた。"景色=日常性×社会性×地域性"。建築で家を作るといった話ではなく、まちのあり方、自然に敬虔な生活についてのヒントが散りばめられた良書だった。2020/09/28
naof
0
文化的景観という概念があるが、景観はその場所の社会システム、行政の姿勢、暮らす人の心の持ち様を映し出す。 土木・景観を学んできた私にとっては基本を振り返り、今一度姿勢を正したくなるような一冊でした。いいものを作りたい。 写真も津田直さん!(大好きな写真家)2020/06/07