出版社内容情報
ギリシャ時代より愛飲され、近代の幕開けとともに「世界商品」として歴史を動かしてきた嗜好品・ワイン。その歴史を辿り、資本主義の本質にせまる。
山下 範久[ヤマシタ ノリヒサ]
著・文・その他
内容説明
ワインはテロワール、フランスのボルドーにかぎる!いえいえ、ワインほどグローバリゼーションの波にさらされてきた産物はありません。生育地の広さ、醸造の容易さ、キリスト教と結びついた象徴性などの理由から、ローマ帝国の拡大以来、ワインには世界史的な交通空間編成の変容が強く刻印されています。そこにはヨーロッパ中心主義的な世界史観を考えなおす視座も。ワインの奥深き世界へ、いざ!
目次
第1部 ワインのグローバル・ヒストリー(モノから見る歴史;旧世界と新世界;ワインにとってのヨーロッパ ほか)
第2部 ワインとグローバリゼーション(フォーディズムとポスト・フォーディズム;ワインとメディア―ロバート・パーカーの功罪;テロワールの構築主義 ほか)
第3部 ポスト・ワイン(ワインのマクドナルド化?;ローカリティへの疑問;ツーリズムとしてのワイン ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Taro Kenshin
9
日付変わる前になんとか読了。やっぱ難しかった。経済の専門的な事絡むと辛いのぉー。でも、ワインがこんなに世界中に広まり経済の浮き沈みに関わるものだとは❗勉強になりました。2019/05/31
にゃんにゃんこ
2
面白さ75 ワインに興味なくても面白く読める。2020/09/24
☆ツイテル☆
2
フライヤー2021/05/26
tsune105
2
グローバリズム、テロワールなどワインとは無関係そうな単語で、ワインの歴史を社会学者が説明してくれる。2019/03/21
令和の殉教者
2
著者は歴史社会学者。ウォーラーステインの世界システム論で日本を考えた本がある。ワインに関する資格も持つらしい。本書は、前半でヨーロッパワインの形成過程を歴史的史料や地理的要因から辿り、後半で社会学の知見を用いてワインのグローバル化を考える。私はワインについての素養はないが、初歩的な用語(ブドウの品種、名産地、「テロワール」など)から解説があり助かった。前半は、古代ギリシャでは水割りで飲まれてたとか、中世の修道院で祭祀や饗応用のワインが自製される中で製法が改良されたなど、雑学的に面白い内容が多かった。→続く2019/03/16