出版社内容情報
長篇作品にも勝る魅力を持ちながら近年は読むことができなくなっていた貴重な傑作短篇小説の中から、男性が活躍する作品を集めたオリジナル短篇集。
獅子 文六[シシ ブンロク]
著・文・その他
千野 帽子[チノ ボウシ]
編集
内容説明
獅子文六の短篇小説は、生前多数発表され、長篇小説にも勝る魅力を持ちながらも、そのほとんどは読むことができなくなっていた。そんな貴重な作品群から編者監修のもと、“男性”が活躍する作品をコンセプトに編んだ作品集。当時の性に対する社会風刺ともいえる表題作「ロボッチイヌ」を筆頭に、ユーモアと人間味、鋭い批評性にも溢れたオリジナル編集の傑作短篇集。
著者等紹介
獅子文六[シシブンロク]
1893‐1969年。横浜生まれ。小説家・劇作家・演出家。本名・岩田豊雄。慶應義塾大学文科予科中退。フランスで演劇理論を学び日本の演劇振興に尽力、文学座を結成した。一方、庶民生活の日常をとらえウィットとユーモアに富んだ小説は人気を博し、昭和を代表する作家となる。日本芸術院賞受賞、文化勲章受章
千野帽子[チノボウシ]
パリ第4大学博士課程修了。文筆家。公開句会「東京マッハ」司会(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
shizuka
50
獅子さんの短編集。モダンボーイ編。全てがモダンボーイかというとちょっと違うがそこは深く考えない。兎に角軽快でテンポよくさくさく読める。ちょっと時間空いちゃったなという時に目についたお話から読むでも一向にかまわないと思う。さて表題「ロボッチイヌ」これ、かなり際どいタイトルwまさかアレのことを指しているとは。しかもアレをテーマにしているとは。人間、とどのつまり思うことは時代変われど同じ。ところどころに挟まるエッセイも力が抜けてて大変面白い。のだが、もしかしたら小説なのかもしれないと思うとムムム。文六マジック。2018/03/15
ヨーイチ
46
文六センセの短編集。かなりの人がバラエティにとんだ各編に意表をつかれたのではないか。異彩を放つのは「文六神曲編 」か。大病時の回顧と思いきや、神曲編に相応しいおぞましさ、不気味さは文六センセには珍しいテイスト。「カニババ」って言葉を初めて知った。辞書を当たると赤ん坊の最初のウンコの事らしいが、文六センセは最後のウンコって意味で使っている。ここら辺の事情が気になる。解説でも指摘しているが、文六センセは長生きしたので執筆年代を考慮しないと混乱したり誤読する可能性があり、短編ではその可能性が更に高まる。続く2018/08/06
ちょん
26
モダンボーイ達を集めた短編集。表紙が可愛くて読み始めたのですが、なかなかの年代物で驚き。ちょっとリアリティのある星新一みたいな感じ。はじめに載ってたお話の方が印象深いです。モダンガール版もあるみたいで、見つけたら読んでみたい✨2022/04/10
KI
24
男の偏屈な意地と幼気な妄想は馬鹿だから浪漫。2018/12/12
ねむ
19
モダンガール編「断髪女中」に続いてモダンボーイ編のこちらも読んでみた。自分が女だからなのか、断然モダンガール編のほうが好みだった。こちらのほうが掌編が多いイメージで、それぞれの作品世界はしっかりしているのだけど、一編ごとに時代設定や舞台が結構異なるので、あまり短い作品だと頭がついていく間がなかったような感じ。おバカ度はこちらがうわて、そのあたりはいかにも男子っぽいと言うべきか。2023/08/20