出版社内容情報
麻雀に人生を学び、数十年ぶりの寝小便に狼狽し、男の渡り鳥的欲望について考察する。くだらないようで、どこか深遠なような随筆が飄々とならぶ。
内容説明
麻雀に人生を学び、数十年ぶりの寝小便に狼狽し、男の渡り鳥的欲望について考察する。「無害で有益な人間はほとんど存在しない」「男の顔の化粧ないしカモフラージュとして、ヒゲほど有効なものはない」「美人好みはホンイチ狙い」「人間は長生きしすぎて、せっかくの完全形をみずから壊す」等々の風太郎流名言(?)も次々と登場。ナンセンスに見えて深遠。これぞ風太郎エッセイ。
目次
1(文学碑;公然たる嘘 ほか)
2(コーチよろしきを得て;酒との出逢い ほか)
3(世の中で一番いい商売;林不忘の税金の話 ほか)
4(風太郎由来;金瓶梅 ほか)
5(禅;半遁世の志あれど ほか)
著者等紹介
山田風太郎[ヤマダフウタロウ]
1922年、兵庫県養父郡の医家に生まれる。1997年第45回菊池寛賞を受賞。2001年7月28日没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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旗本多忙
16
山田風太郎の随筆小論「死言状」を読んで。大正生まれの老人が世迷い言をグダグダと書き綴っているようであるが、決して世迷い言ではなく不可思議な言葉や事象を山田氏独自の見解で軽妙に書いているエッセイ。言葉上では現代に無用なのもあるだろうが当たらずも遠からずってか、特に昭和に生まれた僕などは感化することが多い。氏のエッセイは多数あり重複ものもあるかもしれないが暇潰しの知恵袋(笑)自民の裏金問題が今炎上の最中。役人の使い道不明の納税はしたくない、もし選べるなら自分で納税先省庁を選びたいなど、累進課税の項は面白い。2024/02/21
getsuki
6
ちくま文庫版購入にて再度。やはりラストの死生観が印象深い。2018/02/04
Katsuto Yoshinaga
5
2015年から定期的に刊行されているちくま文庫の山風先生エッセイシリーズ。「風山房風呂焚き唄」でエッセイシリーズ終了かと思っていたが、「半身棺桶」に続いて本書の刊行となり実に嬉しい。「試験に落ちる、病気になるといった恐怖はむしろ心配であろう」という恐怖に関する考察、「禁煙により日本人の寿命が伸びれば、無駄にボケ老人が増える」という愛煙家の言いたい放題、等々安定した面白さを今回も味わった。同じようなハナシは前に読んだなぁと思ったところ、あとがきで「人間は一生同じ歌を歌う」と締めてある。上手いわぁ。2018/06/10
しらたま
2
風太郎が他人の死に立ち会っていないことに驚きました。あの独特の死生観はこのことにも関係しているような気もする…他のエッセイも読んでみたくなった2019/11/30
栄吉
2
★★★★★ ちまちま読み。山風先生の死生観が自分の死生観。飄々と生きていきたい。2018/11/16