出版社内容情報
それでもやめられない! 麻雀、競馬から花札や手本引きまで、ギャンブルに魅せられた作家たちの名エッセイを集めたオリジナルアンソロジー。
内容説明
勝てれば天国、負けたら地獄…それでもやっぱりやめられない。パチンコ、麻雀、競馬、競艇、花札、カジノ他、賭け事の魔性に魅せられた作家・著名人たちの勝負師魂が滾るギャンブルエッセイの名作40篇を収録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヨーイチ
40
ギャンブルに関したエッセイを項目別に収録している。種目は競馬、競輪、オートレース、花札・骰子系、麻雀、パチンコなどなど。執筆陣の多様さ、豪華さが嬉しい。花札の獅子文六なんてよくあったなぁと感心。もっとも文六先生はギャンブラーとは言えず、パリ留学時代に彼の地で興じたくらい。宇野千代の麻雀好きとかは昔の文士って感じ。競艇は二編のみで蛭子能収と横山やすしのみってなんか面白い。競艇のディープさを感じる。競馬は歴史もあり、背後に欧米の貴族文化を背負っているせいか多士済々で随分とお上品。続く2017/11/10
ホークス
29
生きる事は賭ける事。澁澤龍彦は「人間は下手糞な人生の予想屋である」と書いている。宇野千代の麻雀好きには明るさと稚気があり、恋多き女の本質が垣間見える。対して畑正憲の麻雀論はロジカルで経験が凝縮している。幸田文の競馬は正に追っかけだ。ギャンブルは危険な魔物でもある。「深夜特急」の博打描写(抄出)は、取り憑かれる恐怖とヒリヒリする期待感の相克が見事である。自分も一時期パチンコにのめり込んだが今は面白いと思えない。何が変わったのだろうか。本書の三分の一は競馬の話で、これがさっぱり分からず閉口した。2018/04/30
猫丸
15
競馬競輪競艇から麻雀パチンコまで。闇・公営を問わず現代日本で遊戯可能なギャンブルに寄せたエッセイアンソロジー。別格扱いの阿佐田哲也氏は色川武大名義でも収録。珍しいところでは海野十三や柳瀬尚紀、池内紀、植島啓司なども。例えば「出目の流れ」なんかは数学的独立試行の観点からは無意味ではあるが、ランダムウォークの典型的パス(そんなものは存在しないのだが)を感知する超感覚の発露と見れば含蓄を見出せなくもない。とはいえサイコロやルーレットなどは純粋確率論の範疇には無くディーラーとの心理戦なのだから、そこに深みがある。2020/04/07
CTC
9
10月のちくま文庫新刊。本書は手本引きからパチンコまで、あらゆるギャンブルに関するエッセイのアンソロジー。書き手は綾辻行人や畑正憲のような著名ギャンブラー文士から、菊池寛・山口瞳といった意外なラインまで。 寒い夜の、風呂での読者は至福である。この手の柔らかい本を買ってくるのだが…注意しても湿気を帯びてしまうから、読み捨てにしてしまう。ちくま文庫は私にとってそんな存在だ、少しく高いけれどね。。競輪の章が浅田次郎・伊集院静・阿佐田哲也で大充実。ついYouTubeで競輪の試合を半刻ほど見てしまった。。2017/11/11
スプリント
7
ギャンブルに関するアンソロジーです。博打論を語るエッセイもあれば賭け事にはまる心情を哲学するものもあり多様ですが辞められないということは共通のようですね。2017/11/25