出版社内容情報
移民、パンク、LGBT、家政婦。地べたから視た英国社会をスカッとした笑いとともに描く。200頁分の大幅増補! 解説 栗原康 帯文 佐藤亜紀
内容説明
絶版だった名著に、新たな書き下ろし、未収録原稿を約200頁も加えた最強版!移民、パンク、LGBT、貧困層…地べたからの視点から“壊れた英国”をスカッとした笑いと、抑えがたい抒情ともに描く。「花の命は…苦しきことのみ」の言葉とともに渡った英国ブライトンで、アイリッシュの連合いと過ごす、酒とパンクロックの日々。
目次
第1章 日々の泡編(花の命はノー・フューチャー;DSSオフィス ほか)
第2章 ジョン・ライドン編(ジョン・ライドン 再考して再興とあらば最高論;No Irish,No Blacks,No Dogs レノン、ライドン、ギャラガー兄弟の系譜 ほか)
第3章 アナーキー・イン・ザ・パブ(未収録エッセイ)(物凄く暗い気持ちになったら;国辱電車 ほか)
第4章 10 Years after(書き下ろし+α)(恋愛とPC;二日酔いのベテラン ほか)
著者等紹介
ブレイディみかこ[ブレイディミカコ]
ライター、コラムニスト。2007年から保育士。1965年福岡市生まれ。96年から英国ブライトン在住(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mariya926
129
読友さんのお勧めで読みました!ブレイディさんと同じ年代だったらもっと楽しめたのに!自分でも知らない内にあった、白人に対するイメージというか憧れが打ち砕かれました(笑)しかも15年以上前にもうそんな状態だったとは…。私たちが普通に生活していたら知りえない世界を垣間見せてもらいましたが、アメリカもきっと今は同じような状況で、いつか日本もこんな感じになっていくのかな?と感じました。ブレイディみかこさんは、この後2年後に息子が産まれて、保育士になるんですよね。人生って分からないですね(笑)2020/09/02
佐島楓
88
イギリスの労働者階級の暮らしを、「これっておかしくない?」という糾弾の視点ではなく、ただただ日常として書いている。筆致がパンクなので、読んでいて滅入らないどころか、愉快な気持ちにさえなってくる。日本もだんだんこの種の劣化・多様化はイギリスとは違う形で進んでいくのだろうなという予感を持った。2020/01/14
ネギっ子gen
69
【先なんかねえんだよ。あれこれ期待するな。世の中も人生も、とどのつまりはクソだから、ノー・フューチャー の想いを胸に、それでもやっぱり生きて行け】タイトル名が絶品! 父親から貰った「花の命は短くて、苦しきことのみ多かりき」の言葉と共に英国へ渡った後の、酒とパンクの日々が綴られた魂の書。<こんなサタンそのもののような、しかも12年前に出版されるや否や出版元が潰れたという呪いの書を、約2百頁分も増補しさらに極悪化して文庫にしてしまった出版社がノー・フューチャーなんてことにならなければよいがと祈っている>と。⇒2023/03/09
こばまり
62
みかこさんのルーツが知りたくて手に取れば、夜更けに思わずケケケと声が漏れるほど面白かった。鬱屈しているのに抜けが良い。今後イタリアは内田洋子氏に、イギリスはみかこ氏に任せて私の魂は世界中に暮らすのだ。他国特派員も求む。2018/09/10
読特
55
短くて苦しきこと多い。汚くて貧しくて見苦しい。人生の儚さを憂うこともなく、目の前の苦悩と闘いながらも楽しんでいる。英国労働者階級。花が咲いてる時期もない。”今を生きる”。その天然さと懸命さに、煌めく何かが垣間見える。そんな世界にはからずも飛び込んだ著者。日常生活、身近に起きる驚きを綴ったエッセイは2004年~2005年。ブログは続いて2006年。オリジナル版の版元が倒産し復刻版の本書は書き下ろしが追加。続々と新刊が”ヒット”する”流行作家”の原点を読む。自嘲と笑いと一刺し。そのスタイルは最初から。2021/09/30