出版社内容情報
稀代の作家誕生のきっかけは推理小説だった。江戸川乱歩、横溝正史、高木彬光らとの交流、執筆裏話等から浮かび上がる「物語の魔術師」の素顔。
山田 風太郎[ヤマダ フウタロウ]
内容説明
作家誕生のきっかけとなった推理小説とその世界、江戸川乱歩、高木彬光、阿佐田哲也、横溝正史らとの交遊、執筆裏話等から浮かび上がる「物語の魔術師」の素顔。自身の全集の月報に執筆した自伝的エッセイ「風眼帖」も全篇収録。
目次
1 探偵小説の神よ(わが推理小説零年―昭和二十二年の日記から;小さな予定 ほか)
2 自作の周辺(奇小説に関する駄弁;離れ切支丹 ほか)
3 探偵作家の横顔(日輪没するなかれ;御健在を祈る ほか)
4 風眼帖(風眼帖)
著者等紹介
山田風太郎[ヤマダフウタロウ]
1922年、兵庫県養父郡の医家に生まれる。『甲賀忍法帖』『くノ一忍法帖』などで数々の“風太郎忍法”を生み出し忍法帖ブームをまきおこす。1997年第45回菊池寛賞を受賞。2001年7月28日没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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アキ・ラメーテ@家捨亭半為飯
47
デビュー作『達磨峠の事件』応募までの経緯、探偵小説に対する思い、江戸川乱歩、友人高木彬光など探偵小説家との交遊録、『八犬伝』や『忍法帳』など自作について、まとめたエッセイ集。ユーモラスな語り口ながら、どこかにニヒリズムが顔を出す。2016/09/22
本木英朗
32
自身の作家デビュー以後の探偵小説文壇のリアルな息吹と、それを通じて当時の世相を垣間見せてくれるエッセイ集。綺羅星のごとき作家の名前が登場するが、とりわけ大きな存在感を見せるのは、やはり乱歩だ。特に224頁から始まる「私の江戸川乱歩」には思いが結実されている。若き日に面と向かって「先生は眼高手低ですな」と語ったエピソードは、その後の乱歩作品の分析と相まって実に読みごたえがある。この他にも、探偵小説というジャンルそのものを著者がどうとらえていたか、また筒井康隆に対する高い評価など、興味深い話題が多い。2016/06/16
犬こ
30
山田風太郎というと忍者ものと、人間臨終図鑑の作家というイメージが強かったのですが、この本を読んで推理小説、日本の文豪たちの考察の深さに氏の印象が変わりました。特に乱歩、横溝には敬意をひょうし、「大乱歩は日本小説の太陽である」「探偵小説のために生まれてきた二人」私も読書スタートとして、影響を受けた二方なので、共感の連続でした。山田風太郎が亡くなったのが乱歩の命日というのも、締めくくりとしては染み入りました。2016/05/23
本木英朗
14
日本の本格ミステリ・時代小説などを書いたのが、この山田風太郎である。俺は2016年6月に一度買って読んだので、今回で2回目である。やはりそう来るか。さすが山風だよねえ。大乱歩は別としても、横溝正史や高木彬光、阿佐田哲也など多くの人が出てくるのがねえ。まあ、やっぱり2回目よりも1回目の方がいいので、そっちを見てごらん。とりあえず以上です、はい。2019/10/26
getsuki
13
推理小説に関するエッセイ集。江戸川乱歩氏や高木彬光氏との交友にも触れられており、その洞察力には恐れ入る。反面、自身の評価が恐ろしく低い……戦中戦後の青春時代がうかがえる。風太郎氏の日記作品もそうだが、この感情の行き場のなさから風太郎作品が生まれたのかと思うと感慨深いものがあります。2016/05/27