出版社内容情報
日本最大の親分・山口組三代目田岡一雄。疑似家族ともいえるヤクザ組織を率いた男が、家族に見せた素顔を長女が愛情込めて書き綴る。解説 湯川れい子
内容説明
「悪かったと思えば、相手がどんな若僧でも、社会的地位があろうが無かろうが、いさぎよく頭を下げる。人間として生きていく上での本当に大切なことを、お父さんは身をもって教えてくれた。しかし同時に、父は頭を下げられない世界、男のメンツをかけて戦う世界にも生きていたのである」山口組三代目・田岡一雄の長女がえがく父の素顔。
目次
おゆうぎ踊ったお父さん
タバコは身体にわるいです
普通の「田岡由伎」
お父さんが土下座した
「ゴッドファーザー」は本物
お義姉さんの自殺
「結婚」はむずかしい
たったひとことの愛の告白
浮気の朝はシャイ
埃だらけのへそくり
指は詰めるなんて、大嫌い
首は撃ちぬかれていた
憂国ってどんなこと?
ピラミッド・パワー
臨終の時
著者等紹介
田岡由伎[タオカユキ]
1954年8月14日、山口組三代目組長・故田岡一雄の長女として神戸市に生まれる。アメリカNLP協会公認マスタープラクティショナー・カウンセラーの資格を取得し、カウンセリングや講演など、多方面で活躍中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
井上裕紀男
16
「人間は、ほんまに平和を求めるんかいなぁ」。娘である著者も返事に詰まる、日本最大の暴力団を率いた父の一言が印象に残ります。 侠客は日本で随分減ったそうですが、田岡一雄氏は誰もが認める親分。読み進めるに、見た目も普通の人、語り口と言葉の数々は傾聴に値する話も多い。 ニュースで見る暴力団抗争とはかけ離れた侠客の姿に困惑しつつ、母である文子氏と混乱の戦前戦後を生きてきた厚みをあちらこちらに感じる。 暴力を認めることはできないけれども、不遇に苦しむ組織構成員を受け入れてきた家族の話は、非常に興味深い。2022/10/22
たみき
5
ヤクザと暴力団の違いがわからないほど知識不足の自分なので山口組ときくと正直恐い、反社会組織というイメージしかない。だから田岡一雄さんの父親として、夫としてみせる顔がごくごく普通の優しい暖かい方で驚きだった。そしてすごく配慮のある方で人間の器の大きさを感じた。「普通」の暖かい愛情に満ちた家庭が驚きだった。とにかく色々なことが驚きだった。私はただの偏見の塊だった。自分の思考の狭さにヘキエキする。2015/07/24
雛
4
山口組(3代目)実の娘さんが書き下ろした両親への感謝状のよう。両親の出会い〜看取るまで。3代目就任時には30人弱だった組員が(当時、解散もした経緯も)戦後、まだ貧しかった日本で溢れた人々の受け皿として〜再稼働。巨大最強組織へと変貌。時代は移り変わって尚増える組員。経済が良くなっても増えることに心から憂い・苦悶する姿などは家族とし傍らで見てるからこそ。組員の子供と色々な不便もあったようだが、男気のある父に、きっぷの良い母。の完璧なバランスも垣間見えた1冊でした。2025/01/01
Natsuko
4
神保町の古本屋で出会った、三代目山口組組長 の娘さんによるエッセイ。反社会勢力と呼ばれる団体も昔と今では変わったものだとか、三代目就任時には30人あまりだった組員を、巨大最強組織に成長させたリーダーシップとか、気になることは多々あるが置いておいて… 三代目田岡一雄さんの魅力ある人間性や、家族や組員への愛情あふれるエピソードに感銘を受けた。やっぱり上に立つ者に必要なのは人間性。その背中を見た下の者は、時に全力で組織に貢献しようとするものだ。2018/11/24
どらんかー
1
大きな愛に包まれた一札2022/09/28