内容説明
1961年の発売時わずか3カ月で100万部を突破した昭和を代表するベストセラー。日本人が陥りがちな暗記や直訳など小手先のテクニックにとらわれることなく、英語という言語の本質に迫りながら多彩な例文を多数用いて、わかりやすく、ユーモアたっぷりに英語を学ぶことができます。50年以上も前に書かれながら今なお新鮮な発見を与えてくれる一冊。
目次
1 どうして、英語ができないのか
2 日本人はなぜ発音に弱いのか
3 科学的な単語のおぼえ方
4 やさしい言葉がきらいな日本人
5 生きている英語・死んだ英語
6 先生も教えてくれない英語のルール
7 英語を話すコツ
8 英語を読む秘訣
9 英語の底を流れるもの
10 外国へ行く法
著者等紹介
岩田一男[イワタカズオ]
1910‐1977年。横浜生まれ。東京外国語学校英文科卒。横浜高等女学校(この時、同僚に中島敦がいた)、小樽高等商業学校を経て、終戦直後より一橋大学で教授を務め英語・英文学を担当する。著書・論文を多数発表するかたわら、テレビやラジオの英語講座の番組でも活躍した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
壱萬参仟縁
20
1961年初出。日本人共通の誤り。①基礎的英語の不足。②むずかしいことを言おうとする。③日本語で英語を考える。④やさしい英語を使いこなせない。⑤日英の発想法の違いがのみこめていない(25頁~)。特に、③が曲者か。ルール1 英語で考える。ルール2 やさしい表現の練習。ルール3 直訳回避(39頁)。We shall have a hard time.不景気になるぞ(129頁)。Let it go.そのままにしておけ(136頁)。 2014/11/01
サアベドラ
12
約50年前(1961年)にベストセラーとなった英語本。英語に苦手意識を持っている平均的日本人に、英語を学ぶコツを伝授する。綴り字につられず聞こえたとおりに発音しましょう、文法に拘りすぎてはいけません、語源や接辞を活用して語彙を増やしましょう等々、書いてあることは普遍的でおおむね今でも通用するが、その分、似た趣旨、似た内容の本が巷に溢れる昨今、わざわざ本書でそれらを学ぶ必要性は乏しいのではないかとも思う。今となっては古く感じられる記述も多い。日本人の英語学習史を考える際には資料として有用であるかもしれない。2014/10/31
袖崎いたる
10
英語の学び方の考古学として、あるいは今でも実践できる方法論の提示をしてくれる名著。英語学習に対してフロクシノーシナイヒリパイリフィケーション(floccinaucinihilipilification:蔑視・軽視←当時の辞書に載っていた英単語で一番長いものだったらしい)の態度をとる人にユーモア交じりで英語、ひいてはことばというものを〈楽しむ〉姿勢を示すような形で、その意欲を刺激してくれるのだからたまらない。特に音の感じや語源に注意してみる姿勢は考えてみると単純だが、教室では教わったことがないなぁと回顧。2017/02/06
アンドエヴァー
7
マジで基礎単語が大事なんだ。けれど文法にはこだわるな。それプラスちょっとしたコツ。2015/07/26
ひみ
6
なんと1961年に書かれた本!時代的に分からないこととか、「こんなこと、日本語だって今は言わないなぁ~」なんてことも多々出てくるけれど、ユーモアたっぷりで面白かった。解説の仕方が日本人らしいというか、おじさんっぽいというか(笑)2017/10/15