出版社内容情報
つげ義春夫人が描いた毎日のささやかな幸せ。家族三人の散歩。子どもとの愉快な会話。口絵8頁。「妻、藤原マキのこと」=つげ義春。
内容説明
つげ義春夫人である著者が、夫と子どもとの毎日を綴った「私の絵日記」。子どもとの愉快な会話、散歩、初雪、オトウサンのスイトン…。家族や友人との日常の中で感じるささやかな幸せを愛らしい絵とのびやかな文で描き、多くの読者の心を掴んできた名作。その他、「もらい風呂」「ダルマストーブ」など、著者が子どもの頃の懐かしい風景を絵と文で描写。親子3人の写真集、つげ義春「妻、藤原マキのこと」収録。カラー口絵8頁。
目次
私の絵日記
あとがき
マキの思い出エッセイ
マキの懐しい風景
家族写真集
妻、藤原マキのこと=つげ義春
著者等紹介
藤原マキ[フジワラマキ]
1941年大阪生まれ。1945年島根県加茂町へ疎開の後、高校時代に帰郷。高校卒業後、関西芸術座で2年間演劇を学び、上京。「ぶどうの会」「変身」「状況劇場」などで活躍。退団後、漫画家・つげ義春氏と結婚、一児をもうける。1999年逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Vakira
42
今頃になってつげ義春に嵌まってしまい奥さん藤原マキさんの作品も見たくなった。マジにつげ義春家族の絵日記。初っ端からオトウサン(つげ義春)とのケンカ。結構夫婦ゲンカしている。貧困な生活感だが息子の正助への愛を感じてほほえましく読める。絵はつげ程繊細ではないがかなり影響受けていると思う。なかなか良い絵だ。家事を何もしないオトウサンに対する愚痴と愛情。でも案外つげさん料理を作っていたりする。家族の写真も掲載 マキさんいつも笑顔だ。つげは骨董屋廻ったり、漫画描かずに中古カメラ修理していたり。骨董屋はマキさんも好き2017/07/27
gtn
30
偏屈な夫つげ義春に寄り添う"従"のイメージが今まであったが、「太く短く生きたい」というのが口癖だったらしく、むしろ夫を翻弄するほど逞しく生きていたことを知りほっとする。日記後半、自身の病気、またそれに起因する夫の不安神経症発症等、生活に暗さが生じてくるが、それでもなお安心感が勝る。2020/10/23
阿部義彦
26
つげ義春さんの奥様である藤原マキ(1999年逝去)が過去に書いた絵日記が今年漫画のアカデミー賞とも言われるアイズナー賞の「最優秀アジア作品賞」に選ばれ今回重版がかかりました。所謂アングラ劇団女優のマキさんの目から見た昭和の元旦からクリスマスまでのほぼ一年が何とも味の有る絵と共に綴られます。まだ、ユニクロもリチウム電池も無いあの頃、達磨ストーブ、デパートの屋上が子供の最大のレジャースポットだったあの頃。それは私の原風景でも有ります。マキさんが文中で『テッテ的』という語彙をさり気なく使用してるのが良いです。2024/09/18
ryohjin
16
つげ義春さんのあとがきによれば、漫画家と元舞台女優、芸術を求めつつ生活をする者同志の、複雑な葛藤があったようです。それでもこの二人と息子の日常生活を描いた絵と文章には、つつましい生活の中の希望や喜びや愛情が感じられて惹き付けられるものがあります。難しい言葉を用いない文章とシンプルな絵には懐かしさを感じます。また藤原マキさんの少女のころを回想した「マキの懐かしい風景」の絵と文章には、困難な時代背景にもかかわらず、そこにとどまってみたい臨場感を感じました。2024/11/18
アズル
15
学研M文庫で10年ほど前に購入してました。解説が佐野史郎さんだったので、こちらも購入しました。全体的にほんわかした雰囲気でまとめてありますが、起きている出来事がシリアスなことになってます。素朴なペンタッチですが、結構描き込みも多く、つげ義春風に感じることもありました。とても良い本です。2014/02/10