ちくま文庫
あさめし・ひるめし・ばんめし―アンチ・グルメ読本

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  • サイズ 文庫判/ページ数 317p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784480431455
  • NDC分類 914.6
  • Cコード C0195

出版社内容情報

味にまつわる随筆から辛辣な批評まで、食の原点がここにある。文章の手だれ32名による庖丁捌きも鮮やかな自慢の一品をご賞味あれ。

内容説明

味覚についての随筆から辛辣なグルメ批評まで、食にまつわるあれこれを手練れの文筆家32名が腕によりをかけて料理する。

目次

饗宴(吉田健一)
鰯たちよ(三浦哲郎)
冷や飯に沢庵―増上寺大僧正道重信教氏の話(子母澤寛)
干海老の雑煮(草野心平)
古い梅干(水上勉)
食いしん坊(小島政二郎)
正体見たり「味の小島」(小島視英子)
高知(森禮子)
餅を焼くこと(永井龍男)
さくらもち(池田弥三郎)〔ほか〕

著者等紹介

大河内昭爾[オオコウチショウジ]
1928‐2013鹿児島県生まれ。早稲田大学国文科卒。文芸評論家。武蔵野大学名誉教授。長年にわたり「文學界」同人誌評を担当、若手小説家の発掘に努める。また食関連の雑誌編集長を務めるなど、食や紀行についての仕事も多い(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ちょろんこ*勉強のため休止中

123
優れた書き手達にかかると、鰯や梅干といった普通の食べ物がそれ自体で生き生きと物語性を帯び、匂いや手触りまで想像出来るのだな。でも美味しそう、とか食べたいというような気持ちは湧いてこなかった。食べ物というよりも心の中で別の次元の何かに昇華していまい、絵画や彫刻を眺めているような気分だった。草野心平、水上勉、小島政二郎、永井龍男等と執筆陣も豪華。贅沢な一冊。それにしても色川武大って、何をテーマに書いても色川武大なんだ!今回もしみじみ思った。2014/03/31

黒猫

19
卵ご飯のジャケットに誘われて買ってしまいました。作家さんが古すぎて知らない人が多いし、読みづらい。無駄に長いと読む気失せる。開高健はつまらないから飛ばした。流し読みだった。三浦哲郎の「鰯たちよ」は郷愁を感じさせて良かった。今は海に接岸しない鰯を思い出して書いた随筆で、これは好きだ。冷たいご飯に鰯の炙り焼き。食べてみたい。子母澤寛の「冷や飯に沢庵」も良い。向田邦子の「お弁当」も、裕福な子の弁当と貧しい子の弁当との比較とそれに対する先生の公平な振る舞いがとても良かった。あ、案外良い本なのかも。(笑)2017/03/04

ホークス

11
食べ物のエッセイ集。底本が1989年なので相当古いが、それ故の良さがある。セピア色に感じられる話の中から、ある食べ物が色彩豊かにクッキリと立ち上がってくる。三浦哲郎氏が郷里岩手で湯漬けと一緒に食べていた塩漬けの鰯は、七輪で焼くと軒にうっすらと青い煙が漂ったそうだ。そして大人の人差指ほどの鰯を焼ける端から口に入れると、口中でシャオ、シャオという音がした・・・。余りにも鮮やかな色と音で、生唾が出てきてしまう。他も味わい深い話が多くて楽しめた。林望の辛辣な解説も良かった。2015/05/15

くさてる

10
昭和の作家たちの食についてのエッセイアンソロジー。どれもまず、文章自体がとても豊かで含みがあって、それだけで美味しい。山海の珍味についてではなく、街角に佇む料理店、惣菜、田舎で獲れるもの、自分が普通に拵える日常のもの、などについて語る言葉はどれも楽しげで、面白かった。ちょっと悪夢がかっているけれど濃厚で素晴らしい、吉田健一「饗宴」がいちばん好きです。2014/04/06

カワセミ440

8
アンチグルメの本だって。でも皆さんアンチじゃないな、相当なグルメだな。食に拘るのは、その文章が見事なのは作家の性なのかな?昭和の作家さんたちの文章は豊かで美しい。向田邦子さんのお弁当の話が一番良かったかな。色川さんの話はいつ読んでもおかしい。2018/12/13

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