出版社内容情報
名コンビ真鍋博と星新一、2人の最初の作品『おーい でてこーい』他、星作品に描かれた插絵と小説冒頭をまとめた幻の作品集。
内容説明
「名コンビ」と謳われた2人。雑誌掲載時の作品を中心に「真鍋博の插絵」という視点で集めた唯一の作品集。ショートショートの結末や核心に決して触れることなく、物語の魅力と世界観を最大限に伝えてくれる魔法の插絵の数々。「おーいでてこーい」「ボッコちゃん」「マイ国家」他。
目次
悪魔の変光星
迷路の小惑星
遊園地の流れ星
幻想の天の川
未来の超新星
大空のほうき星
著者等紹介
真鍋博[マナベヒロシ]
1932‐2000年。愛媛県新居浜市生まれ。多摩美術大学油画科卒。日本SF作家クラブ会員。イラストレーターとして独特でシャープかつ繊細な画風で知られSFの挿絵、装幀を多く手掛ける。またSFや未来学に造詣が深く、テレビや新聞、雑誌での文明批評的発言、執筆活動のほか、日本万国博、沖縄国際海洋博、科学博に参画、バイコロジーの提唱など幅広い分野で活躍した
星新一[ホシシンイチ]
1926‐1997年。東京生まれ。東京大学農学部卒。日本SF作家クラブ初代会長。日本初のSF同人誌「宇宙塵」に参加しSFの旗手として脚光を浴びる。平易な文章で描かれる透明感のある世界は、年齢性別を問わず支持され「ショートショートの神様」と呼ばれ、生涯で1001編を超える作品を生み出した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
セウテス
85
星新一先生の作品と言えば、この挿し絵となるのだが、私は申し訳ない事に真鍋博氏の名前を覚えていなかった。この押し絵が作品のイメージを何倍にも膨らませ、物語の中に私をサッと導いてくれたのは言うまでもない。本作は挿し絵と共に、作品の出だしの数行が載っているのだが、今観ても何の話なのか推理を働かせ、自分でも驚いたのだがほとんどの物語が思い出された。本当に挿し絵の力とは凄いものだ、読んだ当時の情景がテレビドラマを観ている様に、はっきりと浮かんだのは懐かしいものだ。また星新一作品を読みたくなる、本作も再読するだろう。2022/01/20
tengen
51
若い頃にたくさん読んだ星新一ショートショート。そのカバーや挿絵に散りばめられた不思議な真鍋博さんのイラスト集。 各ストーリーの書き出し数行を添えて掲載されてます。 こんなに印象的な組み合わせはそうそうありません、とても懐かしいです。 星新一さんが読みたくなりました。2018/01/14
しゅわ
49
【図書館】勝手に星さん再読まつりの番外編。星さんがショートショート1001編を超えたのを記念し、星さんといえば!という名コンビ・真鍋博さんの挿絵の中から傑作を選りすぐった…ちょっと変わりダネの一冊です。星さんの作品のタイトルや一部も載っているので、ページをめくるだけで星さんワールドが広がる楽しいひとときでした♪ 所有しているのは新潮文庫版ですが、読メ登録の際にこのちくま文庫版の存在を知り、こちらにはご長男で恐竜博士・真鍋真氏の解説が追加されていると聞いて取り寄せてみました。2015/08/23
シブ吉
49
本や雑誌のページをめくる。タイトルと同時に目に飛び込む「挿し絵」で、その話や記事を想像し、読むかどうか、更には、買うかどうかの判断をしている気がします。本書は、そんな挿し絵の達人「真鍋博さん」と、ショートショートの達人「星新一さん」の共犯本。短い物語の切れ味を損なうことなく、本文へと誘う挿し絵に魅了されてしまいました。和田誠さんとともに、星さんの作品世界を彩った真鍋博さんの独特のイラスト世界が堪能できる一冊です。2013/10/06
ぐうぐう
37
真鍋博と言えば、ハヤカワ文庫のアガサ・クリスティーのカバーイラストを連想する人も多いだろうが、それ以上に星新一を想像する人が圧倒的に多いに違いない。雑誌掲載時の星新一のショートショートに添えられた真鍋博のイラストを収録した本書は、1983年に新潮社から刊行された。なので、星も真鍋も当時は在命で、星はまえがきを、真鍋はあとがきを書いている。単純に真鍋のイラストだけが収録されているのではなく、そこに星のショートショートの書き出しの文章が引用されている。(つづく)2018/03/21