ちくま文庫
ケルトの白馬/ケルトとローマの息子―ケルト歴史ファンタジー

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  • サイズ 文庫判/ページ数 493p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784480430212
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

出版社内容情報

ブリテン・ケルトもの歴史ファンタジーの第一人者による珠玉の少年譚。実在の白馬の遺跡をモチーフにした代表作ほか一作。

内容説明

古代ケルト人の描いた巨大地上絵「アフィントンの白馬」の謎をもとに、BC1世紀の古イングランドで、馬と生きたイケニ族の少年を描く「ケルトの白馬」。その200年後、ローマのブリタニア遠征を背景に、ケルト人に育てられたローマ人の息子が、困難を乗り越えたくましく生きる姿を描く「ケルトとローマの息子」。いずれもサトクリフ得意の古代ブリテンものの傑作である。

著者等紹介

サトクリフ,ローズマリー[サトクリフ,ローズマリー][Sutcliff,Rosemary]
1920‐1992。イギリスの作家。1950年に『ロビンフッド年代記』でデビュー。ケルト神話やギリシア神話、古イングランドの歴史を題材にした物語が多い。作品に、『ともしびをかかげて』(カーネギー賞)ほか多数

灰島かり[ハイジマカリ]
翻訳家。白百合女子大学講師。主に英米圏の児童文学を翻訳(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

アイゼナハ@灯れ松明の火

31
英雄も妖精も出てきませんが、歴史ファンタジーの名に相応しい。荒々しい、けれどどこかが爽やかなケルトの風が吹き抜けていくような読後感でした。他の部族により滅ぼされ、生き残りの者とともに隷属の身となった族長の息子の話、難破船の生き残りとして拾われたものの、やがて部族から逐われることとなる部族を持たぬ男の話と、必ずしも明るいテーマを扱ったものではありませんが、それでも物語にグイグイ引き込まれていくこの感覚は久しぶり。シリーズ化されるようですが、ぜひぜひ多くの作品が収録されるよう、願ってやみません。2013/01/20

roatsu

21
ルブリンやベリックら主人公を翻弄する過酷な運命に頁をめくるのが辛い箇所もあるが、読後の実り多き悲しくも美しい物語。挫折からの再生、自身を知ること、友との友情や真に命を懸けられる大切な対象を見出すことなど人生の大切なテーマが語られる。多感な少年期に読めば尚更、また何歳で読んでも心の成長に資すると思う。豊かな情感は無論、物語の舞台となる時代背景の描写も丁寧で、特にピソの名が出る二編目は帝政初期ローマの市井や奴隷の様子をこういうものだったろうと追体験できる迫真さがある。ローマンブリテンの名手の真骨頂という感じ。2018/01/16

鐵太郎

21
「これが児童文学!? これほど手加減なく描いたものを児童文学と読んでいいの!?」というあとがきの言葉がぴったり。「ケルトの白馬」は、今も英国の丘陵地に残る巨大な絵を描く事となったあるケルト人の物語。「ケルトとローマの息子」は数奇な運命に翻弄され、しぶとく生き抜いた一人の少年の物語。どちらも、ブリテン島のケルト文明という馴染みのない世界を見事に描いています。2017/02/12

のれん

8
少年が大人になる瞬間を描く2編を収録した幻想小説。 情景を描くことの出来る描写も見事だが、何より展開それぞれが対立構造となっていて、主人公の心情の変化を細かに表現している。 居場所を探し歩き続ける少年。時に社会を嘆くことも人を恐れることもある。それでもシンプルに命を賭けて戦うことを、選択することはいつだって出来る。 正確な資料を基に紀元前1世紀から2世紀あたりを描写しており、私たちもよりも過酷な世界で書いているからこそ、憧れ、勇気も貰える。 寂しくそして暖かい物語だ。2018/11/15

cozy

7
短編の「ケルトのハクバ」と長編の「ケルトとローマの息子」の2編。長編はサトクリフの壮大な世界観に圧倒されっぱなし。何度も何度も絶望の底に落ちては這い上がるベリックの姿に胸が熱くなる。2015/01/22

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