出版社内容情報
慈愛あふれる司教との出会いによって心に光を与えられ、ジャン・ヴァルジャンは新しい運命へと旅立つ――叙事詩的な長編を読みやすい新訳でおくる。
内容説明
寒さと飢えに苦しむ幼い子のためにパンをひとつ盗んで、19年を監獄で過ごすことになったジャン・ヴァルジャンを主人公にくり広げられる叙事詩的な小説。この巻は、第1部「ファンチーヌ」を収録。ミリエル司教と銀の燭台のエピソード、マドレーヌ市長になったジャンを怪しむ冷酷なジャヴェール警部、哀れな母親ファンチーヌと残された幼い娘など、劇的スリルあふれる場面が描き出されてゆく。
著者等紹介
ユゴー,ヴィクトール[ユゴー,ヴィクトール][Hugo,Victor]
1802‐1885。フランス・ロマン派を代表する詩人・小説家・劇作家。父はナポレオン軍将校だったが、帝政の終焉とともに没落した。ヴィクトールは文学に才能を発揮、1830年に『エルナニ』で大成功を収める。政治にも影響力を及ぼしたが1851年に亡命、イギリス領ガーンジー島に住み『静観詩集』や『レ・ミゼラブル』を刊行した。1870年に帰国。1885年に死去、国葬が営まれた
西永良成[ニシナガヨシナリ]
1944年富山生まれ。東京外国語大学名誉教授。専門はフランス文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
りえこ
23
全ての版を読んでみようと思い、読んでみました。やはり訳しかたが違って面白いです。ファンティーヌの死まで。死ぬところ、ジャベールがこんなにうるさかったんだー。2016/11/02
Lara
11
500頁超えの文庫本が全5巻。1巻目が終了しました。時間がかかりそうですが、読み切ります。それにしても、ヴィクトール ユゴーさんはすごい作家ですね。2018/04/20
MK2
8
司教やファンチーヌの生い立ち、人物像が丁寧過ぎるくらいに書かれている。そう思ってしまうのは映画に慣れてしまっているからだろう。細かい人物像が知りたかったので期待通り。自分がジャン・バルジャンだと名乗り出るところは、原作はこんなにも葛藤していた…面白い。時間がかかっても全部読みたい。【ガーディアン必読小説1000】53/10002016/05/21
spica015
8
再読。ジャン・ヴァルジャンの葛藤や懊悩がひしひしと伝わってきて、胸に突き刺さる。相変わらず長く感じたけれど、ジャン・ヴァルジャンという人物を形成したエピソードがしっかりと盛り込まれており、ミリエル司教の部分はやっぱり外せない。貧困がもたらす惨めさや不幸は耐え難いが、ミリエル司教によって変わったジャン・ヴァルジャン自身が一筋の光を内包しているようでもあり、希望も感じられる。以前は2巻で挫折してしまったので、何とか全巻読破したい。2015/10/17
パーポ
6
以前、岩波出版のものを読んだが、より新しい訳のものを読みたくなり、購入。非常に読みやすく、(注)でその語について説明してあったのが良かった。レ・ミゼラブル は、私個人にとっては「様々な愛」の小説。子供に注がれる母の愛、神への愛、恋人への愛、国への愛、そして人間への愛の話である。心揺さぶられる、まさしく名作。2019/03/25