ちくま文庫
書斎のポ・ト・フ

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  • サイズ 文庫判/ページ数 259p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784480429568
  • NDC分類 904
  • Cコード C0100

出版社内容情報

博覧強記の幼馴染三人が、庖丁さばきも鮮やかに古今東西の文学を料理しつくす。談論風発・快刀乱麻の驚きの文学鼎談。

内容説明

三十年来肝胆相照らす仲の論客三人が、古今東西の文学作品をめぐって、世にはびこる愚説迷論を糾弾し、庖丁さばきも鮮やかに料理する。古典の名作から時代小説や児童文学まで。食わず嫌いはもったいない。ざっくばらんのごった煮の妙味を、心ゆくまでご賞味あれ。

目次

八丁堀のホームズ―捕物帳耽読控
虹をつかむ男たち―ロマン・ピカレスク頌
末はオセロかイヤゴーか―児童文学序説
荒野のパンテオン―現代マスコミ論
手袋の裏もまた手袋―文学のなかの政治人間
山川草木鳥獣虫魚―ナチュラリスト文学考
野に遺賢 市に大隠―知られざる傑作
余談「千夜一夜」

著者等紹介

開高健[カイコウタケシ]
1930‐1989。大阪出身。大阪市立大学を卒業後、洋酒会社宣伝部で働くかたわらで創作を始める。「パニック」で注目を浴び、「裸の王様」で芥川賞受賞。ベトナムの戦場や中欧東欧を精力的にルポ、行動する作家としても知られた

谷沢永一[タニザワエイイチ]
1929‐2011。大阪出身。関西大学大学院博士課程修了。関西大学教授を経て名誉教授。日本近代文学および書誌学専攻。サントリー学芸賞、読売文学賞、毎日書評賞などを受賞

向井敏[ムカイサトシ]
1930‐2002。大阪出身。大阪大学卒。在学中、開高健、谷沢永一らの同人誌「えんぴつ」に参加。電通を経てCM批評『虹をつくる男たち』でサントリー学芸賞受賞。書評家として、広汎な読書に裏打ちされた独自のコラム批評を確立した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

さっと

4
開高健の誕生日(生誕90年)ということで。大阪の同人仲間(「えんぴつ」)で互いに気心の知れた開高健・谷沢永一・向井敏による文学鼎談。捕物帖、悪党小説、児童文学、マスコミ(テレビ、新聞、漫画)、政治人間の小説、ナチュラリスト文学、その他にわたって古今東西の名作、迷作、駄訳をとりあげてしやべるしゃべる。みなさん文筆家である前にひとりの読者(それも相当量の)である、という当たり前ながら新鮮な発見。高木彬光『白昼の死角』、ヘンリー・ウィリアムスン『鮭サラの一生』、殿山泰司『日本女地図』は読んでみたい。2020/12/30

K

4
こんな人々が身近にいたらよかったなと思った。たくさん本やテレビや映画のことを知っている。あれはよくできている、それは浅いな、これは甘い等々、いろんな批評を知ることができる。2020/05/08

Hiro

3
面白くてあっという間に読んだ。読み終えるのが惜しいくらい。分量はもっと、この倍はあってもいい、3人の率直で鋭い批評をもっとと思う。痛快な読書鼎談である。捕物帳、悪漢小説、児童文学など7つのテーマで一押しの作品を語り尽くし見掛け倒しの愚作をこき下ろす。翻訳物の訳文の評価は早速参考になろうし、未知の快作はすぐにも読んでみたい。かなり前の本なのにテレビ批判はそのまま当てはまる。篠沢秀夫も殿山泰司も久々聞いたけど改めて読まなくちゃ。スペイン語入門も興味津々。2023/09/16

うた

3
いろいろあるけど「児童文学序説」は本書の白眉。児童文学のリライトの話が中心なんだけれど、ラブレーのリライトが書かれていたなんて知らなかった。う○こがない『ガルガンチュア物語』。文字数が半分以下になるのではなかろうか。あとおすすめのなかにギャリコの『ジェニィ』があったことに、おもわず膝をたたいてしまいました。訳がちょっとかたいけど、あれは面白いですよ。2012/09/23

Tsunekazu Ito

1
縦横無尽に広がる本の知識に圧倒されました。すごい3人ですね。2012/11/12

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