出版社内容情報
四十冊の「もの食う」本たち。文学からノンフィクション、生活書、漫画まで、白眉たる文章を抜き出し咀嚼し味わう一冊。
内容説明
食べることもごはんをつくることも好きな著者が、ものを食べるシーンに注目して、本を読む。宮澤賢治から江國香織まで、食のディープな現場を取材した本から、生活実用書、マンガまで。選んだ本の中から「これ!」と思うくだりを抜き出し、読みくだき、咀嚼し、思いを深める。40冊の「もの食う本」を、読みたくなると同時に、食うことについてのさまざまな感覚がそそられる本。
目次
やわらかなレタス―江國香織
センセイの鞄―川上弘美
富士日記―武田百合子
鮨―岡本かの子
台所帖―幸田文
玉子ふわふわ―早川茉莉編
貧乏サヴァラン―森茉莉
狩猟サバイバル―服部文祥
世界屠畜紀行―内澤旬子
牛を屠る―佐川光晴〔ほか〕
著者等紹介
木村衣有子[キムラユウコ]
随筆家。1975年栃木生まれ。東京・浅草に暮らしながら、盛岡通いを続ける。生活哲学を映したエッセイに定評がある
武藤良子[ムトウリョウコ]
1971年東京生まれ。イラストレーター。書籍の挿画などを数多くてがける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ミカママ
450
日ごろからわたしほど食にまつわる本(エッセイ・フィクション問わず)の好きな女もいないと思っていたが、蓋を開けてみれば読了は40タイトル中5冊だけであった。どれもダイエット中のわが身にはツラい。おかげで読みたい本をかたっぱしから登録、という暴挙に出るはめに。手許に置いて読み返したい一冊。2020/04/15
penguin-blue
44
「食べる」ということをキーワードに料理本から漫画までを幅広く紹介した一冊。「食べる」ことについての本は興味があるし、取り上げられている本はバラエティ豊かで知らない本も多く、ぜひ読んでみたいと思わせる本も何冊かあった。ただ、各章の紹介文の中から「食関連の本を紹介する」、ということへのこだわりは感じても「食べる」事自体に対する興味や情熱があんまり感じられなかったからか、好きな「食物」本を読んだ時に感じる幸福感はあまり感じられなかったかも。2018/10/11
ユメ
38
食が描かれた名著40冊を読み解くエッセイ。取り上げられているのは、単に美味しそうな食事のシーンが登場してほっこりするというような本ではなく(私自身はそういった本も好んで読むのだが)、「もの食う」ことについて真っ正面からの思考を余儀なくされる本ばかりだ。木村さんは自ら選んだ本にも一定の厳しさをもって対峙する。その厳しさは、木村さん自身の「もの食う」ことへの真摯さに他ならない。ぼんやりと「もの食う本」が好きな私は大いに反省し、そして、この40冊の中からきっと多くを手に取ることになるだろうという予感を強めた。2017/12/26
はるき
30
肩肘張らない食エッセイ。まずは気楽にお手に取り下さい。グルメ本ではない日常感が居心地良いです。2017/01/02
阿部義彦
20
ちくま文庫のための書き下ろしです。どうりで今まで知らなかった訳だ!この本は 食事や、料理に関して書いてある本を読んだ読書感想文という体裁を取っています。文学で書かれた印象的な食事の描写、実用書としてのレシピ本、漫画、食に関する考現学(私的にはこれに関する話が一番面白かったです!例天ぷらにソースをかけますか?等)弁当の写真集、勿論正調の食エッセイも、そして、喫茶店、酒場、大衆食堂まで、何でも来い!ってな調子です。私も新宿駅の「ベルク」には生きているうちに一度は行ってみたいと思いました。2017/01/07
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